「学歴フィルター」があぶりだす日本の社会問題 (1/2ページ)
隠しても隠さなくても炎上する!? 企業も悩む就活事情
「学歴フィルター」という言葉をご存じでしょうか? 就職活動の際に有名大学出身者だと、どこの企業もウェルカムなのに、学校名を出した途端、シャットアウトされる。そういう現象のことですね。我々凡人のタダの被害妄想というわけではなく、実際にネット上で「学校名を正直に書いたら会社説明会の定員が満員表示になったのに、東大や早稲田の名前を書いたら受け付けできた」などとして、何人かの就活生が告発したことで話題になりました。
ところでこの言葉、比較的新しいような気がしますが……。まさに、そのものズバリ、「学歴フィルター」という書名で本を書いた就職コンサルタントの福島直樹さんによると、「学歴フィルター」という言葉が最初に公になったのは、2010年頃だったといいます。つまり、リーマンショックの後から。この本でいわれている「学歴フォルター」は厳密にいうと四年制大学の中の「学校歴」差別のことですが、好景気の時にはあまり学校歴は問題にされていませんでした。なぜなら、ソニーが「学校名不問」で新卒採用をしたりして、大企業に学校名不問の新卒採用がブームになったそうなんですね。ところが、バブル崩壊、リーマンショックなどを経て、次第に昔通りの学校歴差別が復活したとか。
単純に考えればイイ学校を出た人が優遇されるのは当たり前で、受験勉強を100やった人が50やった人より有利なのは、おかしいことでもなんでもありません。むしろ、受験勉強をやっていない人が、がんばった人より優遇されるほうが不公平です。では、なぜ今、こんなに「学歴フォルター」問題が炎上するのでしょうか。
福島さんによると、実はこの「学歴フィルター」、隠しても開示しても炎上するそうなのです。実際に2011年にキヤノンが「東大」「一橋大」「早稲田大」など、学校名別に会社説明会の受け付けをしたところ、ネット上でかなり炎上しました。企業の人事担当者としては、隠せば「ズルい」といわれ、公明正大に募集しても「ヒドい」と言われる。隠したくないけれど隠さざるを得ないという事情があるといいます。現実問題として学校歴が高い人が優秀な場合も多く、企業の側の言い分にも一理あります。