我ものを握る片手…(笑)下ネタも風景も盛り沢山、葛飾北斎は川柳も名人だった! (2/3ページ)
北斎「北斎漫画十三篇」より 国立国会図書館蔵
「気違ひの とらまえたがる 稲光(いなびかり)」
真っ黒な雲の上でゴロゴロ音が鳴り始めると、外にいる人はみんな笠を押さえて逃げ出すってのに、嬉々として家から飛び出してきたジジイが1人。
そのとんだジジイこそ、北斎その人です。
ピカピカッと来てドオン。近ければ近いほど目をかっ開いて見上げます。本気です。北斎は、雷の光も音も風も全部捕(とら)まえて自分のモンにしちまおうと本気で思っていたんです。そしていつか必ずこの稲光って奴を描いてやろうと。「画狂老人」の名にかけて。
北斎「富嶽三十六景 山下白雨」Wikipediaより (右下の赤い光線が雷)
一瞬の風景を愛おしむ「田毎田毎 月に蓋する薄氷」
ここは信濃の姥捨山のふもと。小さな水田の一つ一つに月が宿る名所です。そんな月を閉じ込めるように、田には薄い氷が張っています。なんてロマンチック!
本当に北斎じいさんが書いたの?いつもの助平心はどこへ行ったの!?と訊きたくなるような句です。とはいえ、さすがは北斎。これほど繊細に風景を感受する心があったからこそ、自然が織りなす一瞬のロマンスを逃さず絵の中に閉じ込める事ができたのでしょう。月に蓋する薄氷のように。