高橋由伸辞任で、巨人軍監督は原辰徳…「暗闘」全舞台裏

日刊大衆

写真はイメージです
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 突きつけられた宣告に若き指揮官は何を思うのか――。驚愕のプランに秘められた球団首脳の真の狙いは!?

 2018年10月4日、球界を激震が襲った。巨人の高橋由伸監督が成績不振での辞任を発表したのだ。その後任として、原辰徳監督が3度目の返り咲きを果たすという情報に、球界は騒然となった。「由伸は就任3年間で、一度も優勝はなし。昨年はBクラスで今年は負け越しという成績は惨憺たるものです。しかし、この人事はどんでん返しもいいところ。しかも、二重、三重にもね……」(ベテラン記者)

 事実、巨人軍トップで、読売グループ内でも渡邉恒雄主筆に次ぐナンバーツーの地位にある山口壽一オーナーは、9月12日の時点では続投承認と思える発言を残していた。岡本和真、吉川尚輝らの活躍は由伸監督が起用してきた結果と語り、「十分にチームを整えて監督には腕を振るってもらいたいなと、私は考えている」と述べていたのだ。

 しかし事態は急転直下、監督交代となったわけだが、当初、由伸監督の後任として出た名前は、まったく違うものだった。「後任は、川相昌弘二軍監督が昇格。GMに前DeNA監督の中畑清。川相監督=中畑GMという体制で来季はいく、という形で一度はゴーが出たんだが……」(球界事情通)

 不振は編成部門の責任として、現職の鹿取義隆GMを解任。中畑新GMのもと、スカウト、国際部、スコアラー部門などの改革をする手はずだったという。川相監督については、山口オーナーは以前から高く評価しており、「3年前に原が退任し、由伸が就任した際も“川相はどうか”と推していた。原監督時代、川相はヘッドとして阿部慎之助ら主力選手をビシビシ叱るなど、山口さんの求める厳しい指導者という条件に合っていたからね。だが、3年前はスター性を重視するナベツネさんの意向で由伸になったんだ」(前出のベテラン記者)

 今季も川相二軍監督は、独走でイースタンリーグを制覇。その手腕もあり、ついに一軍監督かと思われたが、わずか数日で、またも事態はひっくり返る。「結局、“後任は原で一本化”と方針が変わったんです。3回目の就任は巨人ではこれまで例がありませんが、過去2回の就任期間12年間で、リーグ優勝7回、日本一が3回と実績は申し分ない。チームの立て直しには最適だと思います」(スポーツ紙記者)

 その裏には、切羽詰った球団の事情があった。「原監督時代、12年から14年にかけて3連覇を果たしたのを最後に巨人は優勝していない。長期的な改革なんて悠長なことは言っていられず、短期間で結果を出せる原さんを選んだということでしょう」(前同)

 その結果、ハシゴを外された川相二軍監督は10月7日に退任を発表。その心中は察するに余りある。

■ゴジラ松井秀喜監督の可能性は高まった!?

 現有の戦力では、逆立ちしても広島には勝てない巨人。まずは補強だが、「大型補強の了解は得ているだろうし、原さんは長嶋さんと同じく、補強にはあらゆる人脈を駆使して獲得に成功してきた。事実上のGM兼任で、今オフの主役になるでしょう」(前出のスポーツ紙記者)

 10月25日のドラフト会議も、すでに原監督の影響下にあるという。「大阪桐蔭の根尾昂を1位指名する方針は、原さんの意向が大きい。本来は即戦力投手が欲しいんですが、そこまでの人材はいないという判断で根尾になったようです」(前同)

 14年のドラフト、土壇場で原監督がスカウト陣を押し切って、“この高校生だ”と一本釣りしたのが岡本和真だったのは有名な話。その岡本は4番に座り、今季は.309、33本塁打、100打点と大活躍。その慧眼に期待する声も大きい。しかし、原監督も61歳。「周囲には“長くはやらない。チームを立て直して若い人に渡したい”と漏らしているそうだ。その“若い人”とは、3年前に無理に監督に据えられ、今回もクビと貧乏くじを引いてきた由伸、というのが定説。原も負い目を感じているんだ。でも、もう一人、絶対的な候補がいるんだよ……」と、前出の事情通は含みを持たせる。その、もう一人の“原の次”の監督候補とは、あのゴジラこと松井秀喜氏だ。

「由伸留任から川相、そして原という一連の方針は、オーナーの山口さんの鶴の一声という印象。原監督の3回目の就任も、12年に週刊文春に報じられた1億円恐喝事件で、今後の監督はありえないとされていた認識を覆した形です。その山口さんが固執しているのが、ゴジラ松井監督なんです」(夕刊紙デスク)

 この松井監督が、渡邊恒雄主筆、そして長嶋茂雄終身名誉監督の悲願でもあることは周知の事実。「松井は何度も断っているが、読売サイドは諦めていない。彼とのルートは、常に読売内部に確保していて、何より山口オーナーが前のめり。今回の一連の騒動で、川相や中畑といった監督候補も消え、松井監督の可能性はより高まったんじゃないか」(事情通)

 いずれにしても、スーパースターのもとでの復活が巨人にとって最良のシナリオであることは間違いない。巨人の覇権奪還と、松井秀喜監督就任は成就するのか。今後の動向に注目だ。

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