動物たちにサンキュー!動物たちを祝う世界6つの秋祭り
人間の歴史は動物たちとともにある。動物たちの恩恵がなければ我々は人としての営みを維持できなかったと言っても過言ではない。
家畜からは卵やミルク、肉で栄養をもらい、使役動物から労働を支える力をもらい、ペットからは癒しやぬくもりをもらう。
当たり前のように享受しているが、それは当たり前ではない。人間は常に動物たちに感謝する心を失ってはならない。
彼らの存在を改めて見つめなおし、感謝する為に、世界各地では動物たちに感謝するフェスティバルが開催されている。
・1.すべての動物たちに感謝を捧げるククル・ティハール(ネパール)
Kukur Tihar : Dogs are worshipped in Nepal | Kukur Tihar | Treated as VIP
ネパール、ティハールのほぼ全土で、晩秋に5日間のヒンドゥーの祭りが開かれ、人間以外の動物たちに感謝を捧げる。
カラスでさえも、このときばかりは初日に崇められる。雌牛は3日目、雄牛は4日目だ。2日目は、人間の大親友である犬が対象。犬はヒンドゥー教の聖典の中でも、聖なる生き物として描かれていて、迫りくる危険や死を人間に警告することができると信じられている。
ククル・ティハールという儀式では、人々は自分のペットでも迷い犬でも隔てなく首に花飾りをかけて敬意を表する。
犬たちは、敬意の対象としてティカという赤い印を額につけられ、今日ばかりはごちそうでたっぷり甘やかされる。
・神の使いである犬たちが花飾りをつけ盛大に称えられるネパールの犬まつり「ククル・ティハール」 : カラパイア
・2. 移牧祭り(スペイン)
Thousands of sheep take over Madrid streets
スペイン、マドリードの祭り。Transhumanceとは、移牧、つまり季節によって家畜の群れを移動させながら行う牧畜のこと。
これはかなり壮観なイベントだ。正式に祭りが始まった1994年以降、毎年秋になると、何千頭というヒツジの群れがマドリードの通りを練り歩く。伝統衣装に身を包んだ男女が、歌い踊りながら群れを先導し、何百年も続く牧畜の伝統を祝って、パレードのルートを進んでいく。
・3. モンキービュッフェフェスティバル
Monkey Buffet Festival in Thailand
タイの寺院を訪れた人は、サルにエサを与えないよう忠告されるが、ロッブリーの人たちにとって、11月の最終日曜日だけは例外だ。
この日は、うず高く積まれたフルーツや、食べ物やコカコーラの缶までが大量に並ぶテーブルが13世紀の寺院遺跡にセットされる。
シートが取られ、これらごちそうが一斉にあらわになると、まもなくロッブリーのマカーク(サル)たちがたくさんやってくる。
タイの人たちがサルを敬う伝統は、2000年前のサルの王ハヌマンとその英雄的な偉業に関する伝説にさかのぼる。今日、サルはこの国では幸運のしるしと考えられている。
・4. ケムシ・フェスティバル(アメリカ)
The 38th Annual Woolly Worm Festival
ノースカロライナ州バナーエルクの言い伝えでは秋に、この毛むくじゃらのケムシの色によって、来たる冬の厳しさを分析することができるという。
ケムシの色が黒いと冬は寒く雪も多く、茶色だと比較的穏やかな冬になると予測されるという。13節に分かれている体も、冬の13週と一致すると考えられている。
1978年に、10月の第三週目の週末に開催されることになった、ケムシ・フェスティバルでこの"冬期予報"が行われる。
今年は、10月20~21日に開催予定で、メインイベントはケムシレース。垂直に張った90センチほどの紐を一番早く登ったケムシが、予報士虫として選ばれる。ケムシの飼い主には、なんと1000ドルの賞金が出る!
・5. プシュカル・ラクダフェア(インド)
Pushkar Camel Fair
インドのラジャスターン州では、毎年11月にプシュカル・ラクダフェアという色鮮やかな文化イベントがある。
ヒンドゥーの太陰暦の満月の日に祝う、動物祭りとしては世界最大のもののひとつ。年一回のこのイベントは、この地方の文化や伝統を祝うだけでなく、取引業者にとっては、自分たちのラクダや家畜をお披露目するチャンスでもある。
人もラクダもきらびやかに着飾り、さまざまな競争に参加したり、にぎやかな音楽に合わせて踊ったりする。
・鳥フェスティバル(チリ)
Festival de Aves de Chile - Vina del Mar
チリの太平洋沿岸ビニャ・デル・マールでは、毎年秋になると国の鳥の美しさや多様性を愛でる祭りが開かれる。
祭りに訪れる人たちは、チリの国鳥アンデスコンドルを目の当たりにすることができる。コンドルは翼を広げたその大きさは、飛ぶ鳥としては世界一。毎年、鳥の専門家が中心になって、観察ツアーや講演会も開催されている。
written by konohazuku / edited by parumo