秋津壽男“どっち?”の健康学「ノーベル賞受賞で注目の第四のがん治療。免疫療法は全てのがんに効果あるか」 (2/2ページ)
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しかし、白血病や悪性リンパ腫といった血液がんでは、NK細胞やT細胞ががん化している場合があり、免疫療法ががん細胞を増殖させてしまうケースがあるとされています。
正解は胃がんとなりますが、本庶先生のノーベル賞受賞で広く知られるようになった治療薬のオプジーボも、がん患者全員に効果があるわけでありません。個別のがん細胞の状態などにより、適応するか否かが人によって異なります。また副作用もいつどの程度生じるかの予測が完全にはできていません。
国に認証され診療ガイドラインに推奨されている薬も、オプジーボなど数種類ありますが、オプジーボも疲労や発熱、食欲不振のほか、皮膚や肺に障害が生じる可能性があります。抗がん剤と一緒に使うと効果を打ち消し合う可能性もゼロではなく、免疫療法を骨折により中断したとたんにがんが再発、進行も急速になり死亡したという例も報告されています。
つまり、まだ発展途上段階の免疫療法であり、データが蓄積されていないのです。中には厚労省に承認されていない薬もあり、そうした薬には保険も適用されていません。数百万円もの治療費がかかる自由診療を行っている病院もありますが、免疫療法を受ける前に「その免疫療法がどういったものか」「治療の効果が証明されているか」「保険診療ができるか」「副作用はどうなるか」などを慎重に確認する必要があります。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。