【話題の1冊】 著者インタビュー 中山祐次郎 『医者の本音 患者の前で何を考えているか』 SB新書 820円(本体価格)
医師もコミュニケーションスキルが必須な時代に
――本書では、クラウドファンディングで支援者から多くの意見を取り入れているそうですね。どんなやり取りがあったのですか?
中山 基本的に私と編集者のやり取りは、支援者だけが見られるFacebookグループで行い、本作りの過程を可視化し、いつでも意見が言えるようにしました。
「ここが面白いのでもっと深く」「ここが分かりにくい」などと具体的な意見をもらいました。一番助かったのは、私が「やはりこの本を出版する意義はないのではないか」と悩んでいた時に、何人もの方が支えてくれたことです。私にとって非常に力強いサポートになり、迷いが吹き飛びましたね。
――患者からはなかなか医師に意見を言えない、という人も多いと思います。医師側はどう考えているのでしょうか?
中山 おっしゃる通り、二つの意味で医師に意見を言いづらいことがあります。一つは、がんの告知など厳しい話をされ、ショックを受けすぎてうまく聞きたいことが聞けないシーンです。もう一つは、医師に失礼に当たるのではと思い、意見できないシーンです。正直なところ、医師によっては患者さんから意見を言われることを好まない者もいます。しかし、そういう医師はこれから淘汰され、AIに取って代わるでしょう。なぜなら、コミュニケーションスキルも重要な技術の一つだからです。そのことを本書では強調しました。
――恋愛事情にも触れられていますね。女性医師の生涯未婚率が高いそうですが、一般の人でも付き合うチャンスはありますか?
中山 これは私個人の意見ですが、そのチャンスは大いにあると思います。知人の女性医師には、結婚紹介所に登録する人が少なくありません。女性医師は仕事が多忙すぎて、なかなか職場以外の男性と出会う機会がないのです。一方で、女性医師と付き合うには仕事への理解が必要です。デート中でも、呼び出されたらすぐに病院に行かなければならないなど、仕事の特殊な面をしっかり理解することが重要です。
このように、医師という特殊な職業について、医師自身がここまで詳しく書いた本はかつてなかったでしょう。収入や恋愛についても、データを交えながら手の内を明かしました。誰しも一度は感じたテーマについて、本音で書きました。残念ながら病気にかからない人はほとんどいません。少なくとも一度は、自分や親の病気で病院を訪れることがあるでしょう。本書をお読みいただき、医師への抵抗感を少しでも減らしていただけたら幸いです。
(聞き手/程原ケン)
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中山祐次郎(なかやま・ゆうじろう)
1980年生まれ。鹿児島大学医学部卒業。日経ビジネスオンラインやYahoo! ニュースなどで連載を持つ。著書に『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと〜若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日〜』(幻冬舎)がある。