「平成日本シリーズ史」(1)「ロッテより弱い」発言が読売選手に火を点けた! (2/2ページ)

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この初勝利で一気に勝負の流れが読売に傾いて行く。

 第5戦は2‐1と読売がリードした7回裏の攻防が勝負のポイントとなった。2死一、三塁のピンチを招いた近鉄は4番・クロマティを敬遠し、5番・原辰徳との勝負を選択する。原はこのシリーズに入ってから18打数無安打と不振だったため、当然の選択と思われたが、これが裏目に出てしまうのだ。近鉄の2番手・吉井から今シリーズ初安打となる満塁本塁打を放ったのである。投げてはエース・斎藤が初戦の借りを返す4安打完投勝利。こうして3連敗からの2連勝で、勢いは完全に読売のものとなったのだった。

 そして、舞台を再び藤井寺球場へと移して行われた第6戦。3番・篠塚利夫の逆転2点タイムリーなどで3‐1と勝利し、ついに逆王手をかけたのである。

 雌雄を決する第7戦でも、絶好調だった駒田徳広の先制ソロを筆頭に4本のアーチをかけ、8‐5で勝利。史上3度目となる3連敗からの4連勝で逆転の日本一を成し遂げたのだった。

 なお、このシリーズのMVPには最後の試合で先制ソロを放った駒田に輝いているが、その相手投手が因縁の加藤だったこともあり、万歳しながらダイヤモンドを回り、「バーカ!」と叫んだ姿は語り草となっている。

 一方で、シリーズの流れを変えたとされる近鉄・加藤の発言だが、実は「ロッテより弱い」とは発言していない。要約ではあるが、以下のような趣旨の発言であったのだ。

「まぁ、打たれそうな気はしなかったので、たいしたことなかったですね。シーズンのほうがよっぽどしんどかったですからね。相手も強いし」

 これが各種メディアで「最下位ロッテより弱い」というように報道されてしまったのが事実なのである。

(野球ウォッチャー・上杉純也)

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