え?21世紀なのに?カナダで女性が魔法を使い魔女の嫌疑で逮捕される事案発生。その真相は?
かつての暗黒時代、魔女の嫌疑で大勢の女たちが逮捕され、無実の罪で殺された。
そして21世紀。文明は開花し、科学とテクノロジー全盛の時代だ。もはや魔女が逮捕されることはなく、かつて悪名高き魔女裁判で鳴らしたセイラムでさえ、魔女の町であることをウリにしている時代だ。
なのに、世界の一部ではいまだにまったく同じことが起きている。
つい先日、ハロウィンの訪れに浮かれるカナダで、ある女性が魔法を使い占いをした容疑で警察に逮捕されるという事案が発生した。
だがこの話にはオチがある。確かに女性は「魔術偽計罪」で逮捕されたのだが、それにはこんな真相があるのだ。
・で、本当に魔女で魔法を使ったのか?
逮捕されたのはオンタリオ州ミルトン在住のドリー・スティーブンソン(32歳)だ。だが本当に彼女は魔女で魔法を使っちゃったのか?
どうやらそうではないらしい。その容疑は「魔法を使うふり」である。
ミルトン・サイキックという店を経営するスティーブンソンは、魔女のふりをしたせいで逮捕されたのだ。
・カナダには今だ魔法について言及した法律が存在する
驚いたことに、カナダにはいまだに魔法について言及した法律がある。
スティーブンソンが違反したと疑われているのはカナダ刑法第365条で、次のようなものだ。
以下を不正に行なった者は、即決判決において処罰に値する罪で有罪とする。
(a) いかなる魔法、魔術、まじない、呪文を実践または使用しようと見せかける
(b) 対価と引き換えに、占いを行う
c) オカルトまたは似非科学の技能または知識によって、盗難物や遺失物の在処またはいかなる態様であれそれがあったとされる場所を発見するかのように装う
最終的にスティーブンソンへの求刑は50万円相当の罰金となった。

・実際には悪質な詐欺容疑
オンタリオ警察によると、ミルトン・サイキックを利用した客たちから合計600万円以上を騙し取られたという訴えがあったことから、今年5月より捜査を進めていたのだという。警察は以下のようなプレスリリースを発表している。
被害者は、お金を預けねば悪いことが起きると信じ込まされている。我々の見解では、被害者は品物を購入し、それらを浄化するためには買った物を預けるよう要求すらされたと見ている。購入された品は、新しい携帯電話、宝飾品、家電、ギフトカードなどである。
購入品はいずれ返してもらえるとの想定のもと購入されたが、返還されることはなかった。また、これ以上搾り取れないと見なすと、容疑者は被害者の弱みにつけ込み、警察に連絡させないようにしている。
・なぜ魔術偽計罪が適応されたのか?
スティーブンソンが本当にこのようなことをしていたのなら、有罪も仕方あるまい。むしろ罰金50万円など安すぎるように思える。
だが、すこし気がかりなこともある。なぜ彼女は魔術偽計罪で起訴されねばならなかったのか。普通に詐欺や恐喝ではダメだったのか?
彼女は多分詐欺師なのだろうし、魔法使いや超能力者を名乗る詐欺師はごまんといる。しかし、詐欺などはたらかない占い師や自称魔女だってたくさんいる。

あなたが信じるかどうかは問題ではない。仮に真剣にタロットカードを学び、1000円で運勢を占って生計を立てる人がいたとしたら、その占い師は逮捕されるべきだろうか?
あなたが幽霊を信じていたとして、自宅に出没する幽霊を追い払ってもらうために霊能者に10000円払ったら、それは詐欺なのだろうか?
もしかしたら、この法律は乱用を防ぐ予防なのかもしれない。
いつの日か魔法や魔術の類を使えると主張する人が増えて、最高裁で呪い騒ぎがあったなどというニュースが踊るようになる事態に備えるために。
だが今、カナダではこの魔術偽計罪を廃止しようという法案も提出されている。さあ、法律の行く末について占ってもらおうか。
References:Canadian Woman Arrested On Witchcraft Charges | Mysterious Universe/ written by hiroching / edited by parumo