「平成日本シリーズ史」03年ダイエーVS阪神は史上初の“内弁慶シリーズ”! (2/2ページ)
そのもくろみ通り、初回に4番・桧山進次郎の2点タイムリー二塁打などで3点を先制。中盤まで4‐1と試合を優位に進めるが、7回表に2四死球に4本の長短打を集めて一気に同点とすると続く8回表にエラーで勝ち越し。だが、負けじと阪神もすかさずその裏にアリアスのタイムリーで5‐5の同点。そしてそのまま、2日連続の延長戦へと突入したのである。
そして迎えた10回裏。1死無走者から3番・金本が右翼席に劇的なサヨナラ本塁打を放ったのだ。日本シリーズで同一チームが2度サヨナラ勝ちしたケースは83年の西武対読売戦の読売と、92年の西武対ヤクルト戦でのヤクルトという2チームが過去にあったが、同一チームの2試合連続でのサヨナラ勝ちはシリーズ初の出来事だ。
こうして2試合連続で劇的な勝利を収めた阪神に流れが傾き、第5戦も1‐2とリードされた6回裏に2死満塁から桧山がレフト前へ2点タイムリーを放ち、阪神が3‐2と逆転。この1点差を5人の投手による小刻みな継投で守り切って,本拠地・甲子園球場で3連勝。ついに日本一へ王手をかけたのだった。
4連勝で阪神の日本一か、それとも崖っぷちからのダイエー逆王手か。注目の第6戦は1回裏に3番・井口資仁の2ランで先制したダイエーが終始、試合の主導権を握り、5‐1で快勝を収めることに。こうして両軍とも3勝3敗となり、ついにシリーズは93年以来10年ぶりに最終戦へと突入したのである。
その最終決戦はあっけなかった。初回にダイエーは松中の二塁打で2点を先制すると、3回裏には井口の2ラン、城島健司のソロで3点を追加。投げては先発の和田が2失点完投勝利を収め、6‐2で勝利し、ダイエーとしては4年ぶり2度目、前身の南海ホークス時代から通算すると4度目の日本一に輝いたのである。
なお、このシリーズは勝利投手に輝いたのが全試合とも左腕であり、かつ全試合ホームチームが勝利する“内弁慶シリーズ”という希有な記録が生まれたシリーズなった。ちなみに“内弁慶シリーズ”となったのは現在まででこの一例のみだが、勝ち星と負け星を交互に繰り返して4勝3敗で決着した日本シリーズはまだない。
(野球ウォッチャー・上杉純也)