1500万円までの贈与が非課税となる教育資金贈与の特例を解説

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1500万円までの贈与が非課税となる教育資金贈与の特例を解説

贈与と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。生前贈与か贈与税か相続税対策か、人によって様々ではないだろうか。祖父母が孫のことを思い高額な物品を購入して与えることも多く、こういった行為も状況によっては贈与と見做されることもある。また、住宅を購入する資金を親が子に代わって一部支払うとか、高額になることが多い大学や高校への入学資金も祖父母が親に代わり支払う行為も贈与となる。贈与すれば贈与を受けた方には、当然の如く贈与税が課税される。しかし、住宅の購入資金や教育資金については、一定の要件を満たせば贈与税は非課税となる。今回は、教育資金贈与の特例について簡単に解説してみよう。

■教育資金贈与の特例とは

教育資金贈与の特例(租税特別措置法第70条2項他)とは、平成25年(2013年)において新たに設けられた制度だ。直系尊属即ち子からみて両親や祖父母が、贈与を受けた時点でその子が30歳未満であれば、教育資金の贈与を受けた場合に限り1500万円まで、贈与税が非課税となる。

非課税となる金額が多額のため、縛りが多く手続きも煩雑となる。煩雑な手続きの一部を挙げてみると、贈与のために金融機関と教育資金を管理する口座契約を締結しなくてはならない。1500万円までの金額を口座に一括で入金し、教育資金以外の用途には利用できない。贈与を受けた子が満年齢で30歳を超えた際、口座に残金があれば残金に贈与税が課税される。他にもあるが、省略する。

■そもそも必要な分だけの教育資金の都度贈与は非課税の対象とされている

煩雑な手続きを伴う特例だが、実は当該特例制度を利用しなくても済む場合があるのをご存じだろうか。それは、そもそも教育資金自体が非課税となっているからなのだ。1500万円という上限もないし、煩雑な手続きは必要ない。

理屈としては、一般的に両親や祖父母には子や孫の扶養義務があるものとされ、その一環として教育資金は非課税の対象とされている。この場合非課税となるのは、教育資金を必要な都度贈与する場合に限られる。前述の贈与の特例では、一括贈与であることに注意して欲しい。

■必要な分だけの都度贈与か一括贈与のどちらか得か

それでは特例による一括贈与か、必要な都度贈与するか、どちらが有利なのだろうか。最初に話すことは憚られるのだが、祖父母や両親といった贈与する側が病気等の理由で、子や孫が高校や大学入学までに生存の可能性が低い場合、特例制度を利用すれば相続税対策としても一定の効果が期待できるので有利とされる。

また、将来的に相続税について対策する必要がなく、祖父母や両親が元気で一定の収入があるならば、必要な都度贈与した方が有利となるだろう。

■判断は慎重に

もし、子や孫に教育資金の贈与を考慮しているならば、特例制度を利用するか必要な都度贈与をするか、慎重に判断していって欲しい。迷ってしまった場合、一人で悩まずに税理士や弁護士等の専門家に相談すれば、的確なアドバイスを貰えるだろう。

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