「本当に怖い前立腺がん」50代患者急増中で今後、罹患数トップに!? (3/3ページ)

日刊大衆

 ロボット手術とは〈ダ・ヴィンチ〉という医療機器を使った内視鏡下手術のことで、痛みや出血が少なく、術後の尿漏れなども最小限に抑えられるとされる。ロボットが手術を行うわけではなく、腹部の小さな切開部から内視鏡やメス、鉗子を入れ、外科医が外から操作する。

 ロボット手術の第一人者で、元東京医科大学ロボット手術支援センター長の大堀理博士に話を聞いた。「ロボット手術の長所は、内視鏡での画像が人間の目より何倍も高感度な3Dハイビジョンのうえ、メスや鉗子などの動きも手の動きを正確に再現することです。加えて、手を10センチ動かすとき、メスや鉗子を1センチ動かすといった操作も可能で、非常に精微な動きができるんです」

 さらに、手ぶれもなく、人間の手より可動範囲も広い。これが前立腺がんの手術では大きな力を発揮する。「前立腺には排尿をコントロールする外尿道括約筋や、神経が複雑に入り組んでいます。微細な動きができるロボット手術なら、筋肉や神経の温存が可能なんです」(前同)

 大堀博士は、これまで800件ものロボット手術をこなしているが、手術後にひどい尿漏れが治らない患者はほとんどいないという。「現在、ダ・ヴィンチは日本に260~270台あり、保険も適用されています。今後増える前立腺がんのために、もっと普及してほしいですね」(同)

 幸い、前立腺がんは一刻一秒を争うがんではない。前出のAさんもロボット手術が可能な病院をじっくり探し、習熟した外科医に任せたら、尿漏れやEDにならずにすんだかもしれない。

■放射線治療は重粒子治療の他、「IMRT」などの選択肢

 また、Aさんは「放射線治療は何回も通わなくてはならない」と思って摘出手術を選んだのだが、これも一考の余地があったようだ。

 前立腺がんの放射線治療は、重粒子治療の他に、患部だけに放射線を集中させる「IMRT」などの選択肢もある。

 特に「小線源療法」は、米粒よりも小さな放射性同位元素入りカプセルを患部に埋め込み、内側から照射するため、より効果的な治療が可能になる。病期や病状によっては、放射線治療のほうが治癒率が高いケースもある。

■薬物療法はホルモン剤による内分泌療法

 薬物療法による治療も前立腺がんの場合、一般的な抗がん剤ではなく、ホルモン剤による内分泌療法が使われることが多い。

 前立腺がんは男性ホルモンが進行を早めるとされ、内分泌治療は、この男性ホルモンの働きを弱くする薬剤が使われる。抗がん剤より効果が高いとされるのだが、罹患率が皮膚がんに次いで2位の米国では、あまり人気がないという。

 前立腺がんは、どんな病院で、どんな治療を選ぶか、自分の生活スタイルなどもしっかり考えて選択することが大切。“後悔なき治療”を受けてください!

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