『まんぷく』桐谷健太、“脱・熱い若者”の効果は?

日刊大衆

『まんぷく』桐谷健太、“脱・熱い若者”の効果は?

 連続テレビ小説まんぷく』(NHK)はヒロインの福子を演じる安藤サクラ(32)はもちろんのこと、登場する俳優たちの演技も注目されていて、毎日のように『まんぷく』俳優のニュースをネットで見かける。先週、一番話題になったのは、なんと言ってもあの悪役キャラだろう。まずは11月17日の放送を振り返ってみよう。

 世良(桐谷健太/38)が塩の取引価格を中抜きしていたということ、そして福子の浮気疑惑に気が気でない萬平(長谷川博己/41)。その後、福子は世良が塩を卸した闇業者を発見し、その悪事を暴くべく世良が出かけていた商工会に向かう。そこにはかつて萬平とも交流があった大阪経済界の重鎮、三田村(橋爪功/77)の姿があった。福子はたちばな塩業や萬平の仕事ぶりについて語り、3万円の投資を三田村から受けることが決定。立つ瀬がなくなった世良は、中抜きした金額を福子に渡そうとするが……という展開だった。

 先週での陰の主役は、桐谷健太が演じていた世良だろう。敵なのか味方なのか分からないくせ者という役柄に、桐谷の芝居が見事にハマっていた。“大切な金を中抜きするなんて、世良が許せない! でもこれからも活躍してほしい!”という視聴者の思いからか、ツイッターでは「#世良に願いを」なる、ハッシュタグが登場して大いに話題になった。

 これはツイッターで「白いシャツを着ているときに限ってシャツにカレーが飛びますように」など、世良に対して小さな不幸を願うコメントを上げるというものだ。脇役がここまで注目されるとは驚きだが、世良がただの悪いヤツに終わらず、目が離せない愛されキャラでもあることを証明する出来事といえる。これも桐谷健太の、味のある演技のおかげではないだろうか。

■演技派俳優に成長した桐谷健太

 以前は映画『ソラニン』や『BECK』(いずれも2010年)といった青春映画で、等身大の「熱い若者」を演じることが多かった桐谷健太。しかし最近はその演技の幅もグッと広がり、さまざまな役柄を演じている。昨年、菅田将暉(25)とダブル主演をした、又吉直樹(38)原作の映画『火花』では、笑いの天才でありながら不器用で人間くさく、なおかつ面倒くさい芸人の神谷を見事に体現してみせた。

 さらに『サイタマノラッパー』シリーズで知られる入江悠監督の映画『ビジランテ』では、過去に闇を抱える一家の3男を熱演。バイオレンスなシーンを大迫力で演じながらも、シリアスで繊細な心理描写をしてみせた。このように38歳という男盛りを迎え、桐谷健太は見事な“演技派俳優”に成長しているのだ。

 auのコマーシャルでの浦島太郎のイメージが強く、コミカルな俳優と思われがちな桐谷健太だが、シリアスな芝居もすっかり得意となっている。『まんぷく』では桐谷が見せる微妙な心の動きや、感情の動きに注目だ。悪役でありながら憎めないキャラの世良から、目が離せない。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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