秋津壽男“どっち?”の健康学「ノドに負担をかけることで高まるガンのリスク。喉頭ガンや咽頭ガンなどは複数発症の可能性大」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 酒焼けではないにせよ、大声を出す仕事は声帯を傷めやすくなります。例えば競馬や競輪の予想屋など、ハスキーな声の持ち主が少なくないですが、これも発声のしかたに原因があります。きちんと訓練をしたプロの歌手と異なり、腹からではなく声帯だけで声を出し続けるので、声帯の炎症が慢性化するわけです。選挙に立候補した候補者にも同じことが言えますが、一種の職業病でしょう。

 とはいえ、カラオケは健康促進に非常に有効です。歌うことで汗をかき、血流がよくなるのはもちろん、声を出して歌うことで自律神経が刺激され、ストレスからも解放されます。歌詞を理解して歌うことで感情も豊かになりますし、脳が刺激されるので認知症の予防ができます。もちろん、カラオケが原因でガンになることなどはありません。声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こした場合には、声帯ポリープになる程度です。最近では、高齢者の間でも人気の趣味となっているのもうなずけます。

 ダンスや麻雀、釣りや園芸など、さまざまな趣味を仲間と楽しむと楽しい気分になるものです。多種多様なジャンルが存在する中、私が特におすすめするのもカラオケです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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