大相撲の「新序出世披露」とは?序ノ口から陥落した力士は「再出世」できるの?

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大相撲の「新序出世披露」とは?序ノ口から陥落した力士は「再出世」できるの?

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大相撲の本場所の中日である8日目には、三段目の取り組みの途中、勝負審判が交代する前に「新序出世披露」という儀式が行われます。

三段目から相撲を観る機会はあまりなくても、相撲好きなあなたなら、テレビ中継の幕下の取組みなどの途中で映像が流れるのを見たことはあるのではないでしょうか。

「新序出世披露」とは、番付外の「前相撲」を経て翌場所から「序ノ口」として番付に四股名が載ることになった新人力士たちを、お客さんに「お披露目」する儀式です。

通常の場所では8日目に行われますが、卒業の季節で相撲界へ入ってくる若者の多い3月場所だけは、

○5日目までに2勝を挙げた者:一番出世
○6日目以降8日目までに2勝を挙げた者:二番出世
○その他の力士:三番出世

とされ、出世披露も場所中に3回に分けて行われています。

新弟子が「新序出世披露」の日を迎えるまで

相撲界に入門した新弟子たちは、どのような流れで「新序出世披露」の日を迎えるのでしょうか。

実は、本場所中の序ノ口の取組みが始まる前の時間に、番付に四股名が載っていない「前相撲」の力士同士での取組が行われています。その時間は、朝8:25分から!新人力士の朝って早いんですね!

画像:いらすとや より

この「前相撲」を取る力士には、その場所の前の新弟子検査に合格した力士の他に、前場所序ノ口で全休して番付外に陥落した力士や、前場所の前相撲を全休した力士も含まれています。

平成6(1994)年3月場所以降に定められた現行制度では、仮に前相撲で1勝もできなくても、1番でも相撲を取れば新序に出世することができるようになっています。ただし、前相撲の成績は翌場所の「序ノ口」としての番付に影響するので、1枚でも番付を上げておきたい力士の卵たちにとっては、既に真剣勝負が始まっているのです。

さて「新序出世披露」の当日は、新人力士たちは師匠・部屋・一門の関取などの化粧廻しを借りて着用し、土俵に上がります。

場内アナウンスによって力士たち全員の所属部屋・四股名・出身地が読み上げられると、呼ばれた力士は蹲踞(そんきょ)の姿勢から立ち上がって一礼し、また蹲踞の姿勢に戻ります。その後幕下格以下の行司によって口上が述べられ、最後に力士たちは全員立ち上がり、四方に礼をしてから土俵を降ります。

「再出世」「出世力士手打式」とは?

テレビ中継で新序出世力士が紹介されるときには、「再出世」の力士も同時に紹介されます。「再出世」とは、序ノ口から陥落した力士が再度前相撲を経て、序ノ口の番付に載ることです。

現代では、再出世の力士の土俵上での出世披露は行われておらず、字幕とアナウンスで紹介されるのみとなっています。しかし以前は2回序ノ口から陥落したために、なんと3回も「出世披露」した力士もいました。

また千秋楽には「出世力士手打式」と呼ばれる、出世披露を受けた新人力士たちにお神酒を振る舞い、親方・若者頭・世話人・会場に残ったお客さんなどみんなで三本締めを行う儀式も行われます。

千秋楽に会場で相撲観戦をする機会があったら、ぜひ最後まで残ってチェックしてみたいものです。

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