宇宙で観測できない95%の正体は「暗黒流体」であるという新理論が発表される(英研究) (2/4ページ)
負の物質(negative matter)の存在がこれまで否定されてきたのは、宇宙が膨張するにつれて、その密度が下がると考えられていたからだ。
このことは、ダークエネルギーの密度が下がっていないというこれまでの観測結果とは矛盾する。
しかしファーンズ博士は”作成テンソル(creation tensor)”を応用し、負の質量が連続的に作り出されるモデルを考案した。
すると、負の質量がどんどん連続的に実在化していれば、宇宙が膨張していても液体は薄まらないで済む。
ならばダークエネルギーの観測結果と矛盾しない。
・ダークマターハローの挙動も予測
同理論は、ダークマターハロー(ダークマターが自己重力で集まった塊のこと)の挙動を正しく予測した初のものでもある。
じつは、ほとんどの銀河は分裂してしまってもおかしくないほど速い速度で回転している。
にもかかわらず、きちんと形を保っていられるのは、ダークマターの目に見えない”ハロー”が銀河がバラバラにならないよう繋ぎ止めていることを示唆している。
ファーンズ博士が実施した負の質量のコンピューターシミュレーションでは、電波望遠鏡では推測しかできないダークマターハローの形成を予測することができた。