五木寛之×椎名誠「僕たちはどう死ぬるか」(2)昔はやたら旅をしていた (2/2ページ)

アサ芸プラス

椎名 それは恐縮です。

五木 旅は最近、いかがですか?

椎名 旅は相変わらず出かけていますが、あんまり長期の旅は、仕事もあるので控えるようにしてるし、なんか飽きちゃいましたね。

五木 そういうもんですよね。ぼくも昔はやたら旅をしてたんです。15年ほど前にも60代後半の頃で『百寺巡礼』の取材などで山寺などにも気軽に行っていた。室生寺の730段の階段なんて3往復ぐらいしてたんですが、最近、変形性股関節症なんて診断されて足が痛くなってね。いまは空想上の旅しかできないので、椎名さんのご本なんか読んでごまかしてる。

椎名 でも空想上の旅ができるというのは、相当な旅の経験と読書量があるからですよね。かなり贅沢な空想の旅をなさってるんじゃないですか(笑)。

五木寛之(いつき・ひろゆき):1932(昭和7)年、福岡県生まれ。作家。北朝鮮からの引き揚げを体験。早稲田大学露文科中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞。76年『青春の門 筑豊編』ほかで吉川英治文学賞。主な著書に、『朱鷺の墓』、『戒厳令の夜』、『風の王国』、『親鸞』(毎日出版文化賞特別賞)、『大河の一滴』、『人生の目的』、『運命の足音』、『他力』(英文版『TARIKI』は2001年度BOOK OF THE YEAR・スピリチュアル部門)などがある。02年菊池寛賞受賞。また『下山の思想』、『生きるヒント』、『林住期』、『孤独のすすめ』などのほか、最新刊に『七〇歳年下の君たちへ』。

椎名誠(しいな・まこと):1944(昭和19)年、東京生まれ。作家。79年『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。『哀愁の町に霧が降るのだ(上・中・下)』(81~82)、『あやしい探検隊』シリーズ(84年~)、『インドでわしも考えた』などの紀行文、純文学からSF小説、写真集など、幅広い作品を手がけている。90年に映画『ガクの冒険』を監督し、91年には映画製作会社「ホネ・フィルム」を設立して映画製作・監督として『うみ・そら・さんごのいいつたえ』(91年)、『あひるのうたがきこえてくるよ。』(93年)、『白い馬』(95年)などを製作。90年、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。『岳物語』『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)、『家族のあしあと』『そらをみてますないてます』などの私小説系作品も多い。

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