秋津壽男“どっち?”の健康学「芸能界で蔓延する『パニック障害』とは?精神疾患の併発防止や医師選びが重要」 (2/2ページ)

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 しかし、精神安定剤や抗精神薬などは、恐怖感を感じないよう感受性を鈍くさせると同時に気力が衰えて、仕事や日常のパフォーマンスを落とすことになります。最悪の場合は、薬に対して依存症にも陥る危険性すらあるのです。また副作用として眠気、血圧低下、頻脈、高熱、意識障害、体重増加、血糖値上昇、便秘、排尿障害、性ホルモン異常など、さまざまな危険をはらんでいます

 こう考えると、きちんと話を聞いてくれる、カウンセリングを主とした心療内科に通うべきですが、問題は、いいカウンセラーが見つかるかどうかです。

 一度通ってみて、すぐに薬を出されるようなら、医者を替えてみることです。きちんと話を聞いてくれる心療内科に巡り合うまで、ドクターショッピングをしてみてください。また、口コミやSNSで探すのも一つの手段です。

 ただ、自分の話を親身に聞いてくれる友人や家族がいるならば、まずは真剣に話してみることです。小谷野選手は福良淳一さん(前オリックス監督)が「何分でも待つから、打席に立つことから始めよう」と、打席で何度もタイムをかけてもらい、野球を続けたそうです。野球選手はドーピング問題があるため薬を飲めなかったそうですが、薬に頼らず時間をかけた結果、小谷野選手は長いことレギュラーとして活躍できたのでしょう。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「芸能界で蔓延する『パニック障害』とは?精神疾患の併発防止や医師選びが重要」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 12/27号“どっち?”の健康学秋津壽男パニック障害社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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