坂上忍が斬る! スポーツ界のパワハラ、不祥事…「2018年ニッポン10大事件」〔前編〕
『バイキング』(フジテレビ系)のMCで、お昼の顔になった坂上氏。テレビで見ない日はない超売れっ子が、2018年のニッポンを放送コード無視でバッサリ!!
――2018年は例年にないほど、バラエティ豊かなニュースが多かったと思います。坂上さんも、そうしたトピックを『バイキング』で連日取り上げていらっしゃいますが、ズバリ、2018年で最も印象に残った出来事は何でした?
坂上 う〜ん、でもね、やっぱスポーツ界のゴタゴタになっちゃうんじゃないですか。どう考えても。
――日大アメフト部のタックル事件ですね。
坂上 その前に至学館の一件がありましたよね。女子レスリングに始まったわけです。
――そうですね。
坂上 その後、ボクシングに体操と続きましたよね。本当に、次から次に出てくる感じでしたね。日大は水泳部の騒動もありましたね。
――これまでは“普通”とされていたことが、“やっぱり、これは変なんだ”と明るみに出てきたような。
坂上 おそらく、そうだと思いますね。ただ、一番の原因は、2020年に開催される東京オリンピックなんですよ。
――と言いますと?
坂上 オリンピックという“汚してはいけないもの”に対して、う〜ん、なんて言うか「性善説がまかり通るスポーツの世界」の汚れた部分が、引っ張り出されたっていうことじゃないですかね。まずそういう前提があって、その先にたぶん、僕も結構今年疲れちゃったんですけど、「じゃ、パワハラって何をもってしてパワハラなのよ?」っていう別の問題が出てきたという気がしますけど……。
――なるほど。特に日大もそうでしたし、ボクシングもそうですけど、スポーツ界からは、かなりキャラクターの強い人たちが出てきましたが、中でも、どなたが一番印象に残っています?
坂上 そうですね〜、たとえばボクシングで言えば、山根会長のキャラで、だいぶ救われた部分があるはずなんですよ。だって、ああなっちゃうともう、「このおっちゃんだったら仕方ないか」って気持ち、がどっかに生まれるから(笑)。だから逆に、マスコミの人たちは感謝したほうがいいんじゃないかな。救われてんだよ、逆に(笑)。まあ、山根会長が悪いんでしょうけど。ただ、日大の一件は、日大の責任が一番大きいんじゃないんですか。内田監督は、マスコミに対して“俺がやらせた”って公言してんのに、後でそれを撤回してるわけだから。たぶん、あれでマスコミとしては、「こいつは絶対許さない」ってなっちゃうもん。
――確かに、そうですね。
■東京オリンピックを控えて
坂上 やっぱり、東京オリンピックを控えているわけだから、それこそスポーツっていうのは今まで以上に、メディアにとってのドル箱になってるわけですよ。だから、メディアとしては、今は“スポーツ”を守りたいわけですよ。ただ、守りたいけど、たとえば週刊誌の利益としては、「こういうことあったんです。許せないよね」って書くしかないよね。それで、新聞とかテレビとか、他のメディアに対して、「あんたら、これをどう扱うのよ?」って突きつけてるような感じがするんですよね。
――メディア間でも、スタンスの差がありますよね。
坂上 叩くか守るかというメディア間の綱引きがある中で、日大の場合は会見を開いて、ことごとく失敗しちゃったからね。そうするとテレビも、もう守れない。「もう、これ無理です。お手上げです」ってなると、あそこまで洪水のような報道がいくんですよ。
――なるほど。
坂上 だから……まあ、僕もいろいろなことで日々戦っていますけど、やっぱり、週刊誌の報道が事実だとするならば、もうね、隠してもダメですよ。潔く「ごめんなさい」しかなくなるわけです。この構造をスポーツ界の人たちも、理解したほうがいいんじゃないかな。オリンピックの半年前ぐらいから、絶対にスポーツ盛り上げムードになるのは分かっているんだから。不祥事があっても1回、そこで切れちゃうから。だから、それは逆に言ったらスポーツ界はラッキーですよ。羨ましいぐらいですよ。だって東京オリンピックがなかったら、ヘタしたら、ず〜っとスポーツ界の不祥事の報道が続いていくかもしれないわけだから。
――「オリンピックに救われているんだぞ」と。
坂上 たとえにならないかもしれないけど、アメリカでは、ブッシュ政権のときに、ブッシュが低い支持率でコテンパンにやられてんのに、イラク戦争が起こったら、ダーンと支持率が跳ね上がるようなものでさ。やっぱり、東京オリンピックだって、国民感情が「盛り上げよう」ってなっちゃうわけだから。だから、スネに傷があるとか、今、何か問題を抱えているんだったら、スポーツ関係者は早いうちに“ミソギ”を済ましておいたほうが、たぶん一番楽ですよ。
――貴重なアドバイスですね(笑)。
■山根明ボクシング連盟前会長がテレビで人気者に
坂上 でもさ、スポーツ界の不祥事を見ると、やっぱり狭い世界であぐらをかくっていうのが、どれだけ怖いことかって分かりますよね。やっぱり、世間との乖離というか、常識が分かってない人たちって、世の中にこんなにいるのか……って思っちゃいます。
――今、うちでも連載していただいているんですが、山根前会長がテレビにも出ていて、人気者になっていますけど、これについては、どう思いますか?
坂上 スゴいですよね(笑)。キワキワだとは思いますけど、複雑ですよね。不正判定っていうのは、ある種あったって認められたわけで、「キャラが面白かったからといって許されないだろう」という意見もあって当然ですよね。ま、僕も『バイキング』をやっていますから日々、葛藤しますけど、被害を受けた方がいるから公の事件になるわけで、その被害者感情っていうのをやっぱり忘れてはいけないと思うんですよね。
――そうですね。
坂上 ただ、パワハラやセクハラ被害を受けてる人が、「パワハラ、セクハラって言ったら、そうなんだよ」っていう風潮に対しては、僕は乗っかるつもりはないですよ。それは暴論ですよ。だって、そんなこと言ってたら、何でもパワハラになっちゃうでしょ。本当、そうです。坂上 だから、『バイキング』での流れで言ったら、スポーツ界が「暴力は排除」って言うんだったら、暴力は何があってもNGなんですよ。ただパワハラに関して言ったら、これはちゃんと吟味しないと怖いよねっていう論調ですかね。ただ、その……もう一方で、なかなかテレビでは言えないけど、思ってるのはスポーツ界は暴力はダメだって宣言したからダメなんだという言い方をするんだとしたら、芸能界は別に暴力がダメだって宣言してないんですよ。だから、同じ暴力と言っても、線引きってあるはずなんですよ。
――昔は教師の体罰も、当たり前でしたからね。
坂上 頼むから、芸能界は世間並みの常識を守りますなんて宣言しないでほしいですね。スタッフの人たちとか、本当に寝ずにやってるわけだから。そのうえ、政府からは「働き方改革」とか無茶苦茶なこといわれてるし。
■大谷翔平がメジャーリーグで二刀流!
――そんな中、スポーツ界で明るかったのが大谷翔平の大活躍ですね。
坂上 やっぱり、オープン戦でなかなか結果が出ないときに、足上げるのを止めて対応型になったのがよかったですね。僕は、そこまで打撃は期待してなかったのに、足上げないで、あんなホームラン打てるって、やっぱり規格外ですね。
――彼は、すり足で打ってますよね。
坂上 本当にビックリしました。BSなどで見ていましたよ。大谷を見てると、なんだろう……今までの人たちって、ま、野茂(英雄)が最初に揉めてまでメジャーに行ったのから始まり、松井(秀喜)だって巨人を抜けて行ったし。大谷は、そもそもメジャー志向だったわけだけど、やっぱ日ハムで正解だったよね。栗山(英樹)監督でラッキーだったし、何の問題もなくメジャーに送り出されたので、何か野茂や松井と違って悲壮感がない。ああなってくると、何か変わってくのかなって。
――松井などは、ファンにしてみれば、“裏切られた”という感もあったかもしれませんね。
坂上 うん。でも、そうなると無駄に力が入っちゃうじゃないけど、変な覚悟みたいなのできちゃうかな。
――来シーズンの大谷は、手術の影響で打者に専念するとされていますが、40本塁打も夢じゃないのかなと期待してしまいますよね。
坂上 彼の最大の功績は、メジャーで二刀流を押し切ったことでしょう。ケガしたとはいえ。だから、今年の甲子園で大阪桐蔭の根尾昂くんみたいな。ピッチャーが出てきたわけだし。大谷がプロになった直後は、二刀流を批判していた評論家がたくさんいて、まあ、俺も二刀流反対の一人だったんですけど(笑)。大谷本人は、それを軽く超えちゃうのっていうのがすごいですよね。
――規格外ですよね。
坂上 何か、のほほんとしてるでしょ、あの人。悲壮感がまったくないから。今、多少短くなってもいいから、メジャーでフルで二刀流を貫き通してほしいと思っていますね。「15勝、3割、30本、100打点」ぐらいの大記録をぜひ!
――怪物ですよ(笑)!
坂上 いや、大谷だったらきっとできる! それで、メジャーに「ザマァミロ!」って見せつけてやってほしいですね。
――夢が膨らみます。続きは次回、お願いします!