超話題のNHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」の予習!江戸の金の小判ができるまで(3)

来年2019年のNHKの正月時代劇で放送される「家康、江戸を建てる」。直木賞作家の門井慶喜氏が原作の超話題作です。
三河を中心に勢力を拡大していた徳川家康は、豊臣秀吉の命で江戸を中心とする関八州を新たな領地とする事に。しかし実際に赴いてみると「江戸」は飲み水を確保するにも苦労するような海辺の泥湿地でした。ここからいかにして家康は八百八町華の大江戸の基礎を造り上げたのか。
今回もドラマを見るのに役立つ「小判」の知識をわかりやすく解説します。これまでの予習はこちら。
超話題の2019年NHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」の予習!神田上水をつくったのは誰か? 超話題のNHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」の予習!江戸の金の小判ができるまで(1) 超話題のNHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」の予習!江戸の金の小判ができるまで(2) 関ヶ原の合戦で大出世!徳川家康が金貨職人・庄三郎に作らせた関八州限定の武蔵小判が完成して2年、家康に転機が訪れます。関白・豊臣秀吉が亡くなったのです。
そして1600年、天下分け目の関ヶ原の合戦が起こります。ご存知の通り、徳川軍は勝利しました。
この勝利によって、江戸の地でコツコツと武蔵小判を作り続けていた庄三郎も晴れて天下の貨幣職人・後藤庄三郎となりました。
慶長金銀の鋳造1601年(慶長6年)、家康は早速庄三郎に慶長金銀の鋳造を命じます。

慶長一分判、慶長小判、慶長丁銀 出展:Wikipedia
こうして完成したのが慶長小判。
表面には鏨(たがね)で細やかなゴザ目が刻まれ、上下に桐紋を囲む扇枠、中央上部に「壹两(一両)」下部に「光次(花押)」の極印、裏面は中央に花押を配すなど、大変手の込んだ質の高い小判でした。家康と庄三郎は、ようやく理想の金の小判を作り上げたのです。
さらに、市場での使いやすさを考慮して、一両小判の1/4の額面にあたる一分判も作られました。これでもけっこう大金ですけどね・・・。
庄三郎はその後金座支配や幕府領の金山銀山支配、財政アドバイザーに就き家康を支えました。
さて、今回は3回にわたって江戸時代の小判が完成するまでをご紹介しましたが、いかがでしたか。時代劇は大まかな基礎知識があるとより一層登場人物たちに感情移入でき、楽しめますよね。お正月はNHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」、絶対に見逃せません!
NHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」前編「水を制す」【放送予定】2019年1月2日(水)[総合]後9:00〜10:13
【出演】佐々木蔵之介、生瀬勝久、優香、千葉雄大、高嶋政伸、松重 豊、市村正親 ほか
【演出】西谷真一
【放送予定】2019年1月3日(木)[総合]後9:00〜10:13
【出演】柄本 佑、広瀬アリス、林 遣都、伊原六花、高嶋政伸、高橋和也、吉田鋼太郎、市村正親 ほか
【演出】一色隆司
トップ画像:番組ホームページより
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