お正月は福笑いじゃなく「判じ物」で初笑い!地名から動物名までまったり解いてみて (3/3ページ)

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阿弥陀様、そばに立つと言うより、たらいの中に入っちゃってませんか? 東海道五三次はんじ物(一鵬斎芳藤〈いちほうさいよしふじ〉

お次は東海道五十三次。宿場順に並んでいるわけではないので気を付けて!


答え

1 神奈川(頭のない魚と竹皮で「かな・がわ」
2 原/蒲原(原を指す「はら」/手に鐶〈かん〉を持っているから「かん・ばら」)
3 箱根(歯、逆さの猫で「は・こね」)
4 興津(起きる鶴の下半分がないから「おき・つ」
5 小田原(尾、俵に濁点で「お・だわら」)
6 江尻(絵、尻に濁点で「え・じり」
7 藤沢(船の前半分、琴柱が騒いでいるから「ふ・じ・さわ」
8 品川(熨斗の下半分、菜、傘の上半分、輪で「し・な・が・わ」)
9 沼津(「ぬ」の字が拙〈まず〉いので「ぬ・まづ)
10 由井(銭湯へ行く格好をした女性が「どちらへ」と呼びかけられていて、返事が「湯へ=ゆへ=ゆ・い」)
11 日本橋(二冊の本に「ば」の字が四つで「に・ほん・ば・し」
12 岡部(尾、「か」の字、屁に濁点で「お・か・べ」)
13 府中(文の上半分、ネズミの鳴き声で「ふ・ちゅう」)
14 蒲原(上半身の関羽、腹に濁点で「かん・ばら」)
15 保土ヶ谷(帆、「ど」、下のない逆さの薬缶で「ほ・ど・がや」
16 川崎(竹皮を裂くから「かわ・さき」
17 戸塚(戸、柄で「と・つか」)
18 平塚(上半身の白井権八、尾のない逆さまの鯉で「ひら(しら)・つか」
19 大磯(足がない大急ぎの飛脚)
20 丸子(鞠の子供で「まる・こ」)

白井権八は歌舞伎で有名な登場人物。若くてハンサムで殺人を犯した役です。関羽は三国志で有名な武将ですね。

当時流行っていた演劇なども知らないとわかりづらいものがありますね。しかし鵜を多用するのはちょっと芸がないかも!?

けだものはんじもの「けだものはんじもの」(歌川国盛)

お次はけだもの(獣)です。中には架空の動物もいますので、想像力を駆使して当ててみて。

答え

1 豚(濁点のついた「歩」の駒が田圃に立っているから「ぶ・た」
2 虎(砥石、蔵の下部で「と・ら」)
3 鼠(眠れない箕だから「ねず・み」)
4 獅子(武士が四の字を書いているから「し・し」)
5 熊(熊坂長範の上半身で「くま」)※熊坂は牛若丸に討たれた大泥棒
6 狸(田圃から抜いているので「た・ぬき」)
7 羊(櫃〈ひつ〉の中にある琴柱で「ひつ・じ」)
8 猿(離縁状を渡して去っていくから「さる」)
9 猫(寝ている子供で「ね・こ」)
10 狼(芋を噛む様子で「お・を・かみ」)
11 狐(杵の間に「つ」の字で「き・つ・ね」)
12 鹿(静御前の中央がないことから「し・か」)
13 狆〈ちん〉(鼻をかむ擬音が「ちん」だから)
14 麒麟(木、鈴で(き・りん」)
15 馬(鵜の魔物なので「う・ま」)
16 兎(鵜、鷺で「う・さぎ」)
17 鼬〈いたち〉(井戸に太刀で「い・たち」)
18 狢〈むじな〉(六つの品の字に濁点で「む・じな」)
19 犬(縫い取りをする人が逆さまになっっているので「いぬ」)
20 猪(井戸に子供が小便で「「い・(の)・しし」
※幼児語でおしっこしたいということを「しーしー」というから)

熊坂長範は謡曲の主題にもなっている平安時代の伝説上の盗賊ですが、現代人でこの絵を見てピンとくる人は少ないでしょう。静御前は、源義経の前で舞う巫女の舞装束のイメージが強いのですが、つづらを持ったただのお姫さまに見えますよね…。

ただ、獣に関しては全体的に地名よりも腑に落ちる答えが多い気もします。

さてあなたは難問解けましたか?今なら親父ギャグと一笑されてしまいそうですが、人間って今も昔も変わらないんだなあとほっこりしませんか?

参考文献:いろは判じ絵 —江戸のエスプリ・なぞなぞ絵解き江戸の判じ絵 これを判じてごろうじろ
画像:国立国会図書館より

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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