２０１８年、葵わかな（２０）や永野芽郁（１９）といった若き女優たちがＮＨＫの朝ドラをきっかけに次々ブレイクを果たす中、異色のルートで頭角を現してきた女優の浜辺美波（１８）。“ポスト長澤まさみ”と称されるゆえんと、唯一無二の魅力とは。 

　浜辺は２０１１年、１０歳のときに女優の沢口靖子（５３）、長澤まさみ（３１）らを輩出した若手女優の登竜門「東宝シンデレラオーディション」でニュージェネレーション賞を受賞し、芸能界入り。当時は歯科医になることが夢だったそうで、後に出演したバラエティ番組で「私自身もあまり興味はなかったんですけど、経験の一つとして」と応募の経緯を振り返っている。 

　女優への第一歩はまさに王道ともいえるスタートを切ったものの、その後はしばらく子役として地道に研鑽を積むこととなる。注目を浴びたのは１５歳のとき、２０１５年に放送されたフジテレビ系スペシャルドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で演じたヒロイン、めんま役。人気アニメの実写化だけに厳しい声も聞かれたが、当時ほぼ無名に近かった浜辺に限っては「あの子は誰？」「かわいい！」「美少女すぎる」とアニメファンからも好意的な視線を集めた。 

浜辺美波、本格ブレイクのきっかけは？

　本格ブレイクのきっかけとなったのは、２０１７年夏に公開され、興収３５億という大ヒットを記録した映画『君の膵臓をたべたい』だ。病に冒された余命わずかな女子高生ヒロインを繊細に演じ、観客の涙を誘っただけでなく、同作での演技が高く評価され、第４１回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする複数の賞を受賞。一躍スターダムへと駆け上がった。 

　ドラマ出演をきっかけにブレイクする若手俳優が多い中、近年では異例のルートといえるが、思い返してみれば、同じく病気をテーマにした映画『世界の中心で、愛をさけぶ』（０４年）で“正統派美少女”としてブレイクを果たした事務所の先輩、長澤まさみと似た過程をたどっている。 

　“ポスト長澤”として売り出す東宝サイドの狙いもあったかもしれないが、実際にここまで人気が出たのは、長澤の系譜を継ぐ「圧倒的な美少女感」に加え、心に闇を抱えた金髪少女（１５年、フジテレビ系『無痛〜診える眼〜』）や破滅志向のギャンブル中毒者役（１８年、ＴＢＳ系『賭ケグルイ』）といった多彩な役をこなす本人の実力ゆえだろう。 

　若くして上品な美しさと演技力を兼ね備えた久々の正統派女優の出現は、マスコミや世間にも新鮮に映ったようだ。１８年のＣＭ出演は８社、自身の公式ツイッターのフォロワー数も５０万に迫るなど、その躍進ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。２０１９年は菅田将暉主演『アルキメデスの大戦』、神木隆之介主演『屍人荘の殺人』といった映画出演も次々控えており、テレビの枠を超えて再び銀幕で輝く姿を見ることができそうだ。