1945年「群馬人肉鍋事件」 実の母が娘を食った“本当の理由 (2/3ページ)

週刊実話

女房というのは三十三歳だが、朝吉のところへは連れ子をして来ている》

そして1945年10月、食べ物に困窮する一家で事件が起こる。
《巡査はこの家の前でいつもぼんやり佇んでいるトラという娘の姿がないのに気がついた、トラも精神薄弱な上に盗癖がある。年齢は十七だが、身体は大人のように大きかった》(『肉鍋を食う女』より)

 村に駐在していた巡査が村人の戸籍調べをするために一軒一軒をまわっていた折、朝吉の家も訪問。その時、トラの姿が見当たらないことに気付いた巡査が、その安否を龍に尋ねた。
「前橋に子守りに出ていて、8月5日の空襲で焼け死んだ」

 特に感情の起伏も見せずに龍は言うのだった。もし死んでいるのなら、死亡届が出ているはずだ。しかし、役場の人間は、死亡届は出ていないと言う。不審に思った巡査は、朝吉の近所で聞き込みを開始。すると、トラの姿を半年以上見ていないという答えが返ってきた。これはおかしいと思った巡査が、再び龍のもとを訪れて問いただすと、次第に証言が変わっていった。
「トラは病気で死んで、庭に埋めた」

 不審に思った巡査により龍と朝吉は警察に呼び出され、ついに尋問を受けることになった。すると、はじめは食い物がなくて栄養失調で死んだと言っていた龍だったが、ぽつりと洩らしたのだった。
「食っちゃった」

 1945年3月26日ーー。近所の家から米や麦、サツマイモなどを恵んでもらったりしながら日々をしのいでいた朝吉一家であったが、その日ついに食べるものがなくなった。囲炉裏に吊るされていた空っぽの鍋を前に、4人の子どもたちは腹が空いたと泣き叫んだ。

 龍は日頃から、自分の血を分けた前夫との間にできた長女、そして朝吉との間にできた2人の子どもには目をかけてきたものの、常々トラにはきつく当ってきた。日々満足に食えない中で、トラは身体が大きく人一倍大飯を食らうことも、彼女には我慢ならないことだった。
「この子さえいなければ、“私”の子どもたちは腹を満たせるーー」

 龍はトラ以外の子どもたちを外へ遊びに行かせると、腹が減って寝転がっていたトラに襲いかかった。背後から首を絞め上げトラを絶命させると、首と四肢を鋸で切断。

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