菅原文太、松方弘樹…映画『仁義なき戦い』広島弁のシェイクスピア「魂の名台詞」

広島弁のシェイクスピアと称される珠玉の名言たち。心を震わせる男の言葉の数々とエピソードをご紹介!
深作欣二が監督し、笠原和夫(第1〜4作)、高田宏治(第5作)が脚本を手がけた『仁義なき戦い』シリーズは名台詞の宝庫だ。口にすれば部下や後輩から一目置かれる台詞も多い。そこで今回、菅原文太や松方弘樹、梅宮辰夫、千葉真一らが放った学ぶべき名台詞の数々を紹介する。
第1作『仁義なき戦い』の冒頭は戦後の闇市が舞台。主人公・広能昌三(菅原文太)は行きがかり上、山守組の若衆とともに、ある男を襲撃することになる。そこで、広能はこう言う。「わしがやっちゃろか」 以後も広能は、誰もやりたくない仕事を率先し、信頼を得ていくことになる。
逮捕された広能は出所後、山守義雄(金子信雄)のもとで極道として身を立てる。その過程で、ケチで自分本位な山守の本性が露わになっていく。死刑覚悟で広能が敵対組織の組長の首を取ると表明すると、山守は嘘泣きしながらこう言う。「わしの全財産をお前にくれちゃる」 だが、出所した広能に山守が渡したのは、わずか1万2000円だった。
一方、野心家の有力幹部・坂井鉄也(松方弘樹)と広能は一触即発の関係に。しかし、対面した2人は互いを殺すことはできず。坂井はポツリと漏らす。「わしら、どこで道間違えたんかのう」
一度の人生。誰もが考えることだ。広能は答える。「狙われるもんより、狙うもんのほうが強いんじゃ」と警告するが、実際、その通りになった。坂井は直後に射殺されたのだ。
最後は坂井の葬儀シーン。広能は祭壇に向けて銃を乱射し、山守に告げた。「弾は、まだ残っとるがよ」 見せ場である。だが、広能は敵を最後に殺さない。ここに『仁義なき戦い』の独自性がある。
第2作『広島死闘篇』は、広能が服役していた頃に時計の針がさかのぼる。山中正治(北大路欣也)は刑務所で暴れ、拘束されたときに言った台詞がコレ。「ぶち殺しちゃる。ぶち殺しちゃるんど〜」 この「ぶち殺しちゃる」が山中の行動原理である。
もう一人の主要キャラが大友勝利(千葉真一)だ。欲望最優先、狂犬のような大友は、究極の女性蔑視発言をぶちかます。「うまいもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきてるんじゃないの」 そして、こう続けた。「好きなようにやるだけじゃ」 自分の組を立ち上げた大友は、広島の大組織・村岡組を激しく攻撃する。
一方、村岡組入りした山中は、大友組幹部を殺害し、逮捕されるも脱走。恩ある広能と酒席を共にした際、拳銃を指して言った。「わしの零戦よ」
大友と刺し違える覚悟だったが、結局、警察に追われた山中は、その零戦で自決。山中の葬儀で、山守は広能に聞こえるように言う。「あの山中ゆうんは、シャンとしとったのお」 山守を象徴する、イヤミたっぷりの台詞である。
■小林旭や北大路欣也などの豪傑も
第1作の純粋な続編は第3作『代理戦争』だ。村岡組の跡目を狙う幹部の打本昇(加藤武)は、神戸の大組織・明石組を後ろ盾につける。だが、村岡(名和宏)は組を山守組と合併させ、山守を後継者とする意向だ。
これを村岡組の有力幹部、武田明(小林旭)と松永弘(成田三樹夫)から相談された広能は猛反対。自分たちが跡目に立候補しない理由を松永は、「ムショで苦労してきた江田がおるけんのう」と、組の功労者である江田省一(山城新伍)を立てた。武田も消極的だ。「人の上に立つほど勲章も持っとらんしの」 2人は、バランスを優先させる組織人だった。
「知らん仏より知っとる鬼のほうがマシじゃけんの」 打本の人間性に疑問を感じた広能は、山守の跡目継承をやむなく容認した。
一方、打本会の若衆が問題を起こすと、打本は、「ボンクラのやることまで責任とりゃせんよ」と、上司の風上にもおけない発言で逃げようとするが、許されず泣く泣く指を詰める。これに対し山守は、「腐れ外道が。指の1本や2本で済むかい」 こちらも、絶対に上司にしたくないタイプである。
第4作、『頂上作戦』は、前作から続く明石組系列の打本陣営と、神戸のもう一つの大組織・神和会と縁組みした山守陣営との対立を描く。明石組に近い広能は前者につく。しかし打本は野心家だが、頼りない男だ。広能の兄弟分でもある明石組の岩井信一(梅宮辰夫)から決起を迫られると、「わしゃもう、事業一本にしぼりたいんじゃ」と論外の弱腰回答。
さらに、味方の義西会会長・岡島友次(小池朝雄)は殺され、広能は逮捕される。岩井は打本陣営の立て直しを図ろうとする。そこへ山守組の武田が訪れ、こう啖呵を切る。「広島極道はイモかもしれんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで。神戸の者いうたら、猫一匹通さんけん!」 岩井も負けてはいない。「おんどれらも吐いたツバ飲まんとけよ。ええな!」 さすがの貫禄。リーダーは、こうありたいものだ。
打本陣営は内紛も。川田組組長・川田英光(三上真一郎)は、岡島の後継者・藤田正一(松方弘樹※別役で再登場)の殺害を末端組員にけしかける。「こんなも、ここらで男にならんと、もう舞台は回ってこんど、おう」 強烈なパワハラ指令だ。
警察の取締り強化で、両陣営幹部は軒並み逮捕された。裁判所の廊下で広能は武田と偶然再会。武田によると、山守は懲役1年半。7年4月の懲役が決まった広能は途方に暮れるように言った。「間尺に合わん仕事したのお」
第5作『完結篇』では、山守組は政治結社・天政会に姿を変え、武田が二代目の会長に収まっている。そして、次期会長候補の松村保(北大路欣也※別役で再登場)は現代的。「どいつもこいつも金で横っ面、ぴしゃげたるけん」
かたや、天政会に反目する市岡輝吉(松方弘樹※別役で再々登場)は、反松村派の大友勝利(宍戸錠)と接近し、兄弟盃を提案。だが、五分の盃が面白くない大友はこう言い放った。「牛のクソにも段々があるんで。オドレとわしが五寸かい!」
その後、市岡の死、大友の逮捕で、天政会が気になる存在は長い懲役を終えた広能だけになった。松村は広能に頭を下げて、広能の引退、広能組の天政会加盟を求めるが、広能は拒否。
その後、大友&市岡陣営の残党に襲われた松村だが、瀕死の状態で三代目襲名式場に現れた。そこに広能が来て、松村の意向通りにすることを告げる。そして、武田に言った。「アキラ、こんな、ええ若いもん連れたのお」 武田は返す。「わしらの時代は終わったんじゃけぇ、落ち着いたら一杯飲まんかい」 これを広能は断った。「死んだ者に悪いけのう」 卑劣な山守を反面教師とする広能の頭の中には、抗争の犠牲になった仲間や若者たちの姿があったのだ。
極限の演技から生まれた名台詞の数々。男たるもの、学ぶことは多い。
■梅宮辰夫、伊吹吾郎…『仁義なき戦い』名言集
「わし、これから腹、切るけんのう」(若杉寛)獄中の若杉(梅宮辰夫)は保釈されるために、隠し持ったカミソリで腹を切り、なんちゃって自殺を広能に告げる。
「こりゃ馬のションベンか!」(上田透)山守組の賭場で、ビールを飲んだ上田(伊吹吾郎)の台詞。「ビールなら、もっとヒヤいの持ってこいや」と続く。
「銭になりもせんことしやがって!」(山守義雄)面倒な人物と喧嘩をした広能への苦言。観る者は、そのひと言で、この親分が器の小さい人物だと知ることに。
「子が親に銭出し渋る極道が何処におるんない!」(山守義雄)上納金(儲けの7割!)を取り過ぎだと、坂井ら幹部連中に指摘された山守が吐いた、鬼のような捨て台詞。
「親のわしがやることが気に入らぁな、盃返して出てけ」(山守義雄)坂井に実権を握られると恐れた山守は、こう恫喝。あくまで自己保身が、この親分の基本理念である。
「ここの払い、そん中から払っといてくれい」(山守義雄)広能の服役前に、出所後の全財産譲渡を確約した山守。出所した広能と面会、薄い封筒を渡して、こう言った。
「そがな昔のこと、誰が知るかい!」(山守義雄)広能に、過去の親分としてのゲス行為を疑われた山守はこう言い放った。上司にしたくないタイプナンバー1。
「こんなとの盃はこれでしまいじゃ。さあ、殺れい」(広能昌三)野心のため自分を騙した坂井が滞在するホテルに乗り込んだ広能は、盃を踏み潰すと、開き直って言った。
「山守の下におって、仁義もクソもあるかい」(坂井鉄也)広能に放ったこのひと言こそ、シリーズの一貫したテーマとも言える。以後も広能は山守に翻弄されていくのだ。
「今日はこんなをやる気になれん」(坂井鉄也)一触即発の広能と坂井だが、ともに殺し合う気持ちになれず。だが、坂井は別れた直後に何者かに射殺される。
「鉄ちゃん、こがなことしてもうろて、満足か?」(広能昌三)坂井の大規模な葬儀会場に広能がやって来て、遺影にこう話しかける。「満足じゃなかろう」と続く。
■千葉真一、梶芽衣子…『仁義なき戦い 広島死闘篇』名言集
「ええから、早よ出て行きんさい!」(上原靖子)大衆食堂の美人店主の上原(梶芽衣子)が、完食後に“金がないので働いて払う”という山中に笑顔の神対応。
「おどれら、あとで一匹ずつブチ殺してくれちゃるんど」(山中正治)闇市で大友勝利(千葉真一)らにボコボコにされた山中(北大路欣也)が、血だらけになりながらも豪語した台詞。
「ええ男になれよ、のう」(村岡常夫)広島の大親分・村岡は、傘下で極道修業することになった山中にこう言う。ただし、のちにヒットマンとして利用。
「ここにキスして」(上原靖子)村岡の姪で未亡人である靖子は、泥酔して、山中をこう言って誘惑する。ただし、「ここ」とはおでこ。
「おどれは、分際ってもんがわからんのか!」(高梨国松)靖子に手を出した山中を、村岡組幹部が怒鳴りつける。親分も激怒し、日本刀を持って山中を探していたとか。
「わしら、晩飯の支度に肉屋寄って帰りますけん」(島田幸一)山守組を離れた広能組の財政面は厳しい。若衆の島田(前田吟)は襲った野良犬の肉を晩のおかずにしていた。
「山守に会うてくるけん」(広能昌三)犬肉の件で組の困窮ぶりを痛感した広能は、やむなく、一度は断った山守からの頼まれごとを引き受けることに。
「客には客の扱いっちゅうもんがあろうが」(時森勘市)山守の頼みで渋々ながらも広能がかくまった時森(遠藤辰雄)という男は、匿われた場所を「豚小屋」と言い放つ。
「わしも格好つけにゃ、ならんですけん」(山中正治)山中は広能(ムショで顔見知り)に、時森を殺す意図を告げる。2人はお互い恥をかかないように談合する。
「おどりゃ、チョボくりやがって」(大友勝利)広能は、時森の扱いについて山守とも談合。大友はそれを知り、いつものようにブチ切れ大暴れするのだった。
「一杯飲んでいけや、のう」(村岡常夫)訳あって広能組が時森を襲撃。これを報告された村岡は、実行犯の島田(懲役12年)を自首前にねぎらった。
「久しぶりじゃのう。往生してくれい」(山中正治)村岡組で売り出し中の山中は、かつて自分をボコボコにした大友組の若衆の隠れ家を訪ね、3名を皆殺しに。
「ちぃとは大人になれや」(松永弘)松永(成田三樹夫)はシリーズ屈指の良識派。刑務所を脱走してきた山中を穏やかに諭す。ある意味、異色のシーンである。
「水飲ましてつかわさい」(岩下光男)大友は村岡組の岩下を船上で拷問。さらに「好きなだけ飲めや」と、海に落としてロープで引っ張る暴挙も。
■山城新伍、渡瀬恒彦…『仁義なき戦い 代理戦争』名言集
「泥棒の番しとるもんが、おどれで泥棒したら、誰がケツ拭くんじゃい!」(広能昌三)女にねだられたテレビを買うために、管理するスクラップを勝手に売った西条(川谷拓三)に広能が大激怒!
「わしの他に誰が跡を引けるんない、のう」(打本昇)まだ、村岡組傘下だった打本(加藤武)は跡目を継ぐ気満々。だが、その器でないことは映画を観ていれば分かる。
「わしが推薦するよ」(青木彦次郎)広能の学校時代の先生がやって来て、教え子の倉本猛(渡瀬恒彦)を、“極道修業させてほしい”と、まさかの嘆願。
「あの人は、極道いうても事業家ですけん」(広能昌三)明石組の相原(遠藤太津朗)から、打本(広能と懇意)に不信感を持ったことを告げられた広能の苦しい返答。
「広島におってよ、わしらより大事な客があるか」(山守義雄)同じクラブ内にいた打本が、遅れて顔を出し「他に客があったもんで」と言い訳すると、山守が恥をかかせる。
「みんなで仲良うに、やっとってくんなはれ」(相原重雄)山守が明石組の前で打本をバカ呼ばわり。それに対する、大組織幹部の相原(遠藤辰雄)による大人なリアクション。
「わしには家賃が高すぎますけん」(武田明)山守は武田(小林旭)に若頭就任を依頼。実力者ながら表向きの自己評価が高くない武田は、一度は断っている。
「いつ、わしが跡目を口にした!」(江田省一)お調子者の江田(山城新伍)は、組の跡目を狙っているかのような言われ方をされ激昂する。図星なのだろう。
「そんな極楽は極道の世界にないで」(岩井信一)広能の兄貴分でもある岩井(梅宮辰夫)は、「わしゃ呉に収まってりゃいいんじゃ」という広能に、こう言った。
「中立でおるよ」(松永弘)山守と広能、二者択一を迫られた松永(北大路欣也)はこう言う。武田に「認められない」と言われて引退。
■警察とのやりとりも見物!『仁義なき戦い 頂上作戦』名言集
「今ここで喧嘩して、後に何が残るんや」(岡島友次)多数派工作を図る打本陣営は、穏健派の岡島(小池朝雄)と接触。しかし、穏健派らしい返答が待っていた。
「ワレんとこの親父は、いよいよ煮えきらんのう」(川田英光)打本の舎弟でもある川田(三上真一郎)は見るからにイヤなヤツ。岡島の若衆・藤田に、こうイヤミを言う。
「山守とったら、わしも死んでやるよ」(広能昌三)山守を殺ると表明する広能を、岩井は「元の親を殺すのは仁義に反する」と反対。すると、広能は珍しく反論。
「今度こそ遠慮のお、首を貰いますけん」(武田明)武田(小林旭)は権力者・大久保に強気の姿勢を見せ、このように脅す。若頭に就任した武田が本気を出した。
「枯れ木も山の賑わいじゃがの、この分じゃと枯れ木に山が食い潰されるわい」(武田明)抗争に備え、山守が外部から広島に呼んだ応援部隊が豪遊。その請求書を突きつけられ、武田が頭を抱えた。
「ちいとは息抜きでもせにゃ、身がもたんけえ」(打本昇)常に抗争から逃げ腰の打本は、愛人の年増芸者と密会。だが、こう言った直後に山守陣営に拉致される。
「税金の無駄遣いじゃのお」(広能昌三)警察の取締り強化により広能は別件逮捕される。手錠をかけられ、堂々とこう言い放った。
「あんたら、見とったとおりじゃ」(吉井信介)同窓会に参加した岡島を射殺した山守組構成員・吉井は、呆然とする恩師や同級生に、こう言って去った。
「前向いても崖や、後ろ向いても崖やで」(岩井信一)打本の情けない姿勢にサジを投げた岩井は、さらに「あんじょう、性根入れて歩くこっちゃな」と続けた。
「わしの言うことにも一理あるじゃろが」(打本昇)明石組からの最後通牒を突きつけた岩井の退席後、こんなことが言える打本は、鉄のメンタルの持ち主なのか?
「善良な市民を保護するのが警察の務めじゃないんか」(山守義雄)打本の若衆が親分の意向を無視し、山守陣営を爆撃。山守は“善良な市民”を自称して警察に保護を求めた。
「わしに2000万円ぐらい融通せえゆうてや」(打本昇)打本は、自らの配下による山守襲撃計画を、山守陣営の武田にリークのうえに借金を要請。やはり鉄のメンタル。
「喧嘩相手に金貸すバカがどこにおるけ」(武田明)打本からのまさかの密告&借金要請に呆れた武田は、こう怒鳴り、受話器を叩きつけるように置いた。当然だ。
「何がカリエスじゃ。やりすぎのヤリエスじゃろが」(刑事)逮捕を恐れ入院した山守は、警察が踏み込むと「カリエス(腰の病)」を訴える。これを刑事がダジャレで返す。
■田中邦衛は二枚舌…『仁義なき戦い 完結篇』名言集
「ええケツしとるのお」(山守義雄)政治結社・天政会(山守組が母体)幹部の葬儀で、故人の娘・かおる(野川由美子)を見た山守の個人的感想。
「ケンカはいつでもできますがね、酒はめったに飲めん」(市岡輝吉)市岡は宿敵である大友が天政会内で浮いていると知ると、騙し討ち的に酒席に招いて接触を図った。
「ウワバミとマムシが連合して牙を向いてきよるんじゃけん」(江田省一)敵対していた大友と市岡が松村憎しで結託し、兄弟盃を交わした事実を、お調子者の江田はこう表現した。
「松村みたいな若造に肩越されて、黙っちょる思うん?」(槙原政吉)若い頃から二枚舌だった槇原(田中邦衛)は、大友に味方になるよう迫られると、こう発言。だが、金で釣られ松村陣営に。
「そこらの店、ササラモサラにしちゃれ」(市岡輝吉)謎のフレーズ「ササラモサラ」は「無茶苦茶」の意味らしいが、広島弁としてもあまり一般的ではない。
「わしが身ひいたら、こんなも一緒に引いてくれるか?」(武田明)長い懲役を経て出所し、揉め事のもとになりそうな広能に対し、一緒に引退を提案。ギブアンドテイクの精神。
「オドレの足元かためてから出直してこいや」(広能昌三)今度は松村に頭を下げられ引退勧告される。広能は拒否し、内輪揉めが絶えない天政会の現状を批判した。
「わしにもいっちょ、乗せたれや」(千野巳代次)反松村陣営の残党が松村襲撃を画策。通りがかりの旅人の千野(曽根晴美)が興味を示し、助っ人を買って出る。
「これを式場のスミにでも座らしてやってくれや」(広能昌三)広能は熟慮の末、氏家以下若い衆を天政会入りさせることを決意。襲名式会場で松村にこう言って頭を下げた。