巨人・原辰徳監督「超金満補強」に隠された“秘策” (2/3ページ)
ミスターは、そう感じていたようです」(前同)
長嶋第二次政権下の1998年、原監督は1軍野手総合コーチ(後にヘッド昇格)として入閣。そこから、長嶋氏に巨人の帝王学を徹底的に叩き込まれた。巨人の代名詞とも言える大型補強も、長嶋氏の常勝哲学から伝授されたものだ。
「ミスターは“金満野球”だとか“なんでも欲しがる”とか批判されても、まったく意に介さなかった。それは“巨人は常勝であるべき”という強い信念があったから。原監督は、その教えの忠実な信奉者とも言えます」(巨人番記者)
実際、三度目の就任となった今回も、原監督は大規模な戦力補強を敢行。それは、球界を揺るがすほどのインパクトがあった。
「FAで丸佳浩と炭谷銀仁朗。さらには自由契約の中島宏之と岩隈久志も獲得し、新外国人も合わせると、費用はざっと40億円超。巨人でも過去にないほどの大補強でした」(前同)
長嶋氏の思いをくむような原監督の“大改革”――。しかしFAの人的補償として、チーム生え抜きの功労者の内海哲也と長野久義を放出したこともあり、一部では批判の声も上がった。
ただ、今回の大補強劇の裏には、原監督の“秘策”が隠されているのだという。
まず1つめは、丸の獲得にある。リーグ3連覇中である広島の主砲だった丸。昨季も3割6厘、39本塁打、97打点という素晴らしい成績を残し、2年連続でMVPにも輝いた。
「スラッガーとしての資質もさることながら、原監督が何より評価しているのは、丸の出塁率なんです」
こう解説するのは、スポーツ紙のベテラン記者だ。「丸の出塁率は昨季のリーグトップ。同4位の坂本を2番、丸を3番に置けば、昨年100打点をマークした4番・岡本の打点は、もっと増えるはず。他チームには非常に怖い打線となります」(ベテラン記者)
坂本、岡本を除けば、なかなかチャンスで打てなかった昨季の巨人。1点差負け試合の数は、リーグで最も多かった。
「丸獲得の狙いは“打線の軸作り”。