これはいったい?川の水面に出現した回転する巨大な氷の円盤の謎(アメリカ)
image credit:City of Westbrook, Maine
隕石が水に落下して、巨大な波紋でもできたのか?
だが、そうではない。
実はこれ、アメリカ、メイン州ウェストブルックを流れるプレサンプスコット川にできた巨大な氷の円盤で、ゆっくりと回転しているのだ。
そもそも、こんなに大きな物体がなぜ回転しているのか?
川の流れのせいだろうか?
だがそうではない。どうやら円盤は自力で回転しているらしい。
Giant spinning ice disk forms in Maine river
・氷の円盤、アイスディスクの物理学
この氷の円盤は、地元でも結構珍しく、2016年にある物理学者がその原因究明に乗り出したことがある。
実験で水槽に小さな氷の円盤を浮かべて確かめてみたところ、その回転は円盤の下に生じた渦によって生まれていることがわかった。
image credit:City of Westbrook, Maine
・特定の水温で円盤の下に生じた渦により回転する
水の密度は水の温度が4℃のときが一番高いという。
氷の円盤のせいで周囲の水が4℃まで冷えると、水平に広まるように沈み込み、これによって渦が生じる。
このとき氷と周囲の水の温度差が大きいほど、つまり川の水が暖かいほど、水の沈み込みは速くなる。
するとそれだけ氷の円盤の回転も速くなるというわけだ。
image credit:City of Westbrook, Maine
だが、氷の円盤の回転現象は、水があるところなら必ず起きるというわけではない。
たとえば湖の水が凍り始めるようなとき、周囲の水はすでに4℃まで冷えているかもしれない。この場合、氷の周りにある水はちっとも沈まないし、ディスクが回転することもない。
以下の動画は2017年、ミシガン州ベスタバーグで同様の現象が起きた時のものだ。
Spinning ice disk in Michigan's Pine River
・家で氷の円盤を作り出すこともできるぞ
ちなみに、この現象、ご自宅でも手軽に再現できるそうだ。
水にアルミプレートのような硬いものを浮かべて、その上に氷を置いてみよう。プレートが氷よりも暖かければ、氷が溶け出し、その下の水に小さな渦を作り出すはずだ。
References:pressherald/ written by hiroching / edited by parumo