男性は過去に経験した痛みを記憶しストレスを受けるが、女性は過去の痛みからストレスを受けない(カナダ研究) (2/2ページ)
また女性グループよりも強いと評価している。
またマウスでも同じ容器に入れられたグループについても、人間の男性と同じようなパターンを示した。
こうした反応は、男性(あるいはオス)が、再び血圧計カフ(あるいは酢)の苦痛を味わうことになるのではないかと予測し、痛みに対して過敏になってるためではないかと推測される。
しかし、そうであるならば女性でも同じパターンが見られてもおかしくないはずだ。それなのに女性もマウスのメスも、そうした反応を示さなかった。
女性は出産をするから痛みに強いとも言われているが(もちろん個人差あり)、やはりそうなのだろうか?
・慢性痛は過去の痛みの記憶が原因か?
更に研究チームは、「痛みが過去の痛みの記憶によって増大する」という仮説を確かめるために、ZIPという記憶阻害剤をマウスの脳に注入し、その記憶形成を邪魔してから、先ほどと同じ実験を行ってみた。
するとやはり、前の実験のように、過去の痛みを記憶し、ストレスになっているような様子は確認されなかった。
慢性痛(痛みが何ヵ月、何年という単位続くもの)が、痛みの記憶に関する問題であるという証拠は増えてきている。今回の発見は、痛みの記憶を橋渡し的なアプローチで示した初めてものだ。
仮に慢性痛の主要な原因が痛みの記憶なのだとすれば、痛みがどのように記憶されるのかを理解することが、その治療へ向けた大切なステップとなる。
この研究論文は『Current Biology』に掲載された。
References:Men and women remember pain differently | Newsroom - McGill University/ written by hiroching / edited by parumo