長嶋茂雄が原巨人に烈魂注入!「V奪還」炎の秘策

日刊大衆

写真はイメージです
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 他球団も驚いた超大型補強には、名将2人の「勝利への執念」が秘められていた。優勝への道しるべを探る!!

 プロ野球のキャンプイン。ストーブリーグの主役となった巨人に、大きな注目が集まるのは間違いないだろう。巨人は昨季3位に終わり、高橋由伸前監督(43)が解任。指揮官には、これが三度目の登板となる原辰徳新監督(60)が就任した。「巨人軍創設以来、5年間優勝を逃したことは一度たりともありません。現在4年連続V逸中で、もう後がなくなった球団は、スキャンダルでクビを切った原監督を復帰させた。まさに“最後の砦”なんです」(スポーツ紙デスク)

 原監督は、これまで12シーズン指揮を執り、二度の3連覇を含むリーグ優勝7回で日本一3回。まさに球界きっての名将だ。2007年には、今年同様、5年連続V逸の危機を迎えていたチームを、見事優勝に導いた経験もある。

 そんな原監督の就任を、ずいぶん早い段階から推薦していた人物がいたという。ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(83)、その人だ。長嶋氏といえば、昨年夏に胆石を患い、今も闘病中の身。しかし昨年7月の入院の前に、次期監督候補として、すでに原監督の名前を挙げていたというのだ。「ミスターは、昨年6月の段階で、優勝はムリと判断。“今の巨人を再建できるのは、原をおいて他にない”と、関係者に語っていたそうです」(球界事情通)

 また長嶋氏は、由伸前監督の健闘を認めながらも、戦力的な“大改革”の必要性を口にしていたという。「今の戦力では誰がやっても結果は同じ。原さんなら、そんなチームに大ナタが振るえるはず。ミスターは、そう感じていたようです」(前同)

 長嶋第二次政権下の1998年、原監督は1軍野手総合コーチ(後にヘッド昇格)として入閣。そこから、長嶋氏に巨人の帝王学を徹底的に叩き込まれた。巨人の代名詞とも言える大型補強も、長嶋氏の常勝哲学から伝授されたものだ。「ミスターは“金満野球”だとか“なんでも欲しがる”とか批判されても、まったく意に介さなかった。それは、“巨人は常勝であるべき”という強い信念があったから。原監督は、その教えの忠実な信奉者とも言えます」(巨人番記者)

 実際、三度目の就任となった今回も、原監督は大規模な戦力補強を敢行。それは、球界を揺るがすほどのインパクトがあった。「FAで丸佳浩と炭谷銀仁朗。さらには自由契約の中島宏之と岩隈久志も獲得し、新外国人も合わせると、費用はざっと40億円超。巨人でも過去にないほどの大補強でした」(前同)

 長嶋氏の思いをくむような原監督の“大改革”。しかしFAの人的補償として、チーム生え抜きの功労者の内海哲也と長野久義を放出したこともあり、一部では批判の声も上がった。

■原辰徳新監督が丸佳浩と炭谷銀仁朗を獲得した理由は?

 ただ、今回の大補強劇の裏には、原監督の“秘策”が隠されているのだという。まず1つめは、丸の獲得にある。リーグ3連覇中である広島の主砲だった丸。昨季も3割6厘、39本塁打、97打点という素晴らしい成績を残し、2年連続でMVPにも輝いた。

「スラッガーとしての資質もさることながら、原監督が何より評価しているのは、丸の出塁率なんです」 こう解説するのは、スポーツ紙のベテラン記者だ。「丸の出塁率は昨季のリーグトップ。同4位の坂本を2番、丸を3番に置けば、昨年100打点をマークした4番・岡本の打点は、もっと増えるはず。他チームには非常に怖い打線となります」(ベテラン記者)

 坂本、岡本を除けば、なかなかチャンスで打てなかった昨季の巨人。1点差負け試合の数は、リーグで最も多かった。「丸獲得の狙いは“打線の軸作り”。ズバリ鍵となるのは、実質2年目のジンクスを迎える岡本です。彼が厳しいマークをはね返せるようなら、丸はさらに生きるでしょう」(前同)

 そして2つめの秘策。キーマンとなるのは炭谷だ。「昨季の炭谷は、正捕手に座った森友哉の控え。今年32歳という年齢を考えても、1億5000万円の3年契約という好条件を出してまで獲る選手とは思えません。疑問を持つ球界関係者も多かったようですね」(スポーツ紙記者)

 しかし、貴重なFA枠を使ってまで、炭谷を獲りにいったのには理由があるのだという。「それは、正捕手・小林誠司に対する原監督の“不信感”です。小林の評価は極めて低いと言わざるをえません」(前出の番記者)

 小林といえば、菅野智之山口俊といったベテラン投手からの信頼が厚いことで知られる。「しかし、その反面、まだ成長過程にある若手投手を勝たせるようなリードができない。首脳陣は、将来のエースを育てるような捕手を望んでいたんです」(前同)

 そこで浮上したのが炭谷だったというわけだ。「今年メジャーに渡る菊池雄星をエースに育て上げたように、炭谷には長年西武投手陣を引っ張ってきた実績がある。“炭谷で投手陣を底上げする”ことこそが原監督の真意でしょう」(同)

 昨季イースタンで投手三冠を獲得した高田萌生、90イニングで84奪三振を記録した左腕・大江竜聖など、確かに今の巨人の若手投手には期待の逸材が多い。今季、阿部慎之助が捕手に復帰するとはいえ、“教育役”として炭谷の存在は大きいだろう。

■菅野智之、山口俊ら先発投手陣はリーグ屈指

 ただ、昨シーズンの投手陣に目を向けてみれば、巨人のチーム防御率はダントツでリーグ1位。2年連続で沢村賞を受賞した絶対的エース・菅野の貢献度は高いが、それだけで、この成績は作れない。

「ノーヒッターを達成した山口俊、CSで本来の投球を見せた田口麗斗。防御率のいいメルセデス、ヤングマンの両助っ人と、先発陣の充実度はリーグ屈指と言えます」(前出のデスク)

 さらに原監督は、この盤石にも思える先発陣に、メジャー帰りの岩隈を補強。ここに3つめの秘策がある。「今季から1軍の登録選手が28人から29人に増える。そこで浮上するのが“第2先発”という戦術です」(球団関係者)

 先発投手が降板した後、先発タイプの投手で継投する“第2先発”。昨年の日本シリーズでは、ソフトバンクの工藤公康監督がこの投手起用法を用い、広島打線を封じ込んでいる。「手術明けの岩隈は未知数。でも、復帰できれば先発の層はさらに厚くなる。“第2先発”は短期決戦用ともいわれますが、これほどの戦力なら十分選択肢に入ってくるでしょうね」(前同)

■リリーフ陣がマイナス要素だった

 一方、昨シーズンに大きなマイナス要素となっていたのがリリーフ陣だ。サヨナラ負けは、最下位の中日と並ぶリーグワースト。これは、救援陣がいかに不安定だったかを物語っている。「昨年は守護神を期待されたカミネロが大不振。一時は代わりに山口俊を後ろに回したりしましたが、結局、最後まで抑えの不在が響きました」(ベテラン記者)

 ソフトバンクにはサファテと森唯斗、広島には中崎翔太。信頼できるクローザーは、優勝には欠かせない重要なピースだ。「リードをつなぐリリーフの整備は、かつて“勝利の方程式”とうたったほど、ミスターが注力した部分。実は今オフ、原監督が一番重要視していたのも“クローザー獲得”だったんです」(事情通)

■元メジャーリーガーが最後のピース

 そんな原監督の“最後のピース”を埋めたのが、元メジャーリーガーのライアン・クックだった。「クックは、メジャー通算で17セーブ58ホールド、防御率3.58をマーク。2012年にはオールスターゲームにも出場した、経験豊富なリリーバーです」(スポーツライター)

 メジャーでの実績は十分のクックだが、16年に右肘を手術。昨年復帰したものの、19試合の登板にとどまり、防御率は5点台と低迷している。「確かに不安は残るし、そもそも外国人はフタを開けるまで分かりません。ただ、これだけの実績の持ち主ですから、上原浩冶、マシソン、澤村拓一の後ろを任せられる“守護神”にメドが立ったのは間違いない。最低限の準備は整ったというところ」(ベテラン記者)

■「外国人枠」の原采配に注目

 “新・勝利の方程式”の完成という4つめの秘策。だが、そこには「外国人枠」という問題が絡んでくる。現在のルール上、1軍登録できる外国人選手は4人まで。だが、今季の巨人には、投手でクック、マシソン、ヤングマン、メルセデス、アダメス、野手でビヤヌエバ、ゲレーロ、マルティネスと8人もいるのだ。

「投手だけ、あるいは野手だけで外国人4人を使うことはできませんし、8人をどうやりくりしていくのか、原監督の采配に注目ですね」(前同)

 そして原監督の采配には、師である長嶋氏も大きな期待を寄せている。「ミスターが高く評価しているのは、原さんの勝利への執念。“勝利に対してオレ以上に非情になれる男”と、原さんへの信頼を常々、口にしているほどです」(事情通)

 長嶋イズムを継承した“原采配”という最大の秘策で、巨人は優勝をモノにすることができるのか。

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