森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★毎勤統計は「ミス」なのか (2/2ページ)
底上げ分を除いた実質賃金の伸びは、0・72%減と、実質賃金の下落は、まったく止まっていない。
ただし、昨年のサンプル替えに伴う賃金上昇の底上げ効果は、1年限りで終わる。今年のサンプル替えで、2年連続で賃金水準の高い事業所が選ばれる保証はない。もしかしたら、賃金水準の低い事業所が選ばれる可能性もある。
そのリスクを避けるには、どうすればよいのか。実は、今回明らかになった誤った調査手法を修正すれば、確実に賃金を上昇させる効果を持つ。つまり、実質賃金の上昇という統計結果が、今年も続いていく可能性があるのだ。
もちろん、厚生労働省が、実質賃金の上昇を偽装するために、二度も統計調査手法の変更を行ったという証拠は何もない。しかし、そんな偶然が本当に二度続くのだろうか。
大切なことは、実質賃金の低下という事態がまったく改善されていないという事実を、国民がしっかり認識することだろう。