『3年A組』高視聴率を支える“型破りな物語演出”とは?

日刊大衆

※画像は日本テレビ『3年A組』番組公式ホームページより
※画像は日本テレビ『3年A組』番組公式ホームページより

 日曜ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)が、2月10日の第6話でなんと平均視聴率11.7%を記録(ビデオリサーチ調べ/関東地区)した。どうしてこれほどまでに、人気が高いのだろうか。第6話を振り返り、その理由を考えてみたい。

 柊一颯(菅田将暉/25)は、景山澪奈(上白石萌歌/18)の自殺に関わった犯人に、名乗り出るよう迫る。茅野さくら(永野芽郁/19)が中心になって教師の中から犯人探しをするが、その矢先、水越涼音(福原遥/20)は坪井(神尾佑/48)が犯人だと訴える動画をSNSに投稿しようとする。しかしこれは間違った情報で、一颯はネット動画で坪井に汚名を着せようとした水越を、強く責めるのだった。

 このドラマは景山自殺の真相に迫るため、生徒たちを監禁した柊一颯が毎回、難題を投げかけるというミステリーだが、結局、今回も自殺の真相は謎のままで何も解決しなかった。最近のミステリードラマは『アンナチュラル』(TBS系)や『相棒』(テレビ朝日系)などに見られるように、一話完結が主流だが『3年A組』は一つの謎を追い続ける、流行とは真逆のスタイルといえる。

 それでもこのドラマが人気なのは「今」を見事に切り取っているからだ。たとえば作中ではSNSが頻繁に登場し、事件のポイントになっている。一颯はSNSを使って事件を全国に知らしめたし、景山の自殺にもSNSが大きく影響しているようだ。

■ツイッターにも共感の声が続々と

 こういった「今」を感じさせる設定が、物語の主役である高校生世代を中心に共感を生んでいるのだ。特に第6話では、ネット上での言動がテーマになっていた。多くの視聴者にはこれが昨今、騒動になったアルバイト中の不適切動画や、SNS上でのトラブルへの警鐘として響いたようで、「ほんと胸打たれた」「責任を持って行動しなきゃ」といったコメントがツイッターに多数寄せられることになった。

 実はSNS以外にもこのドラマには「今っぽい」要素が、ふんだんに盛り込まれている。一颯はあらゆるデジタル機器を駆使して生徒たちを監禁しているし、ネット動画も物語に頻繁に登場する。また、景山が水泳のトップ選手でカリスマだったことや、諏訪唯月(今田美桜/21)がモデルを目指してプロダクションに所属しているなど、登場人物も実に今っぽい設定だ。

 さらに第6話では教師によるパワハラ問題にも、スポットが当てられた。どれもが実際にあってもおかしくない、ワイドショーやニュース番組で目にしそうな設定なのだ。ミステリーの設定は現実からは遠いものが多いが、『3年A組』は「今」を見事に切り取ることで、よりリアルなものになっている。視聴率がジワジワと高くなっているのも、うなずける。今後もミステリードラマらしからぬ、現実感ある展開に期待したい。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像は日本テレビ『3年A組』番組公式ホームページより

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