「優しい男性」に注意したほうがいい理由 (2/2ページ)

マイナビウーマン

本当に相手を思いやるなら、妻には一切関わらず、紗和に疑われるような行動もすべきではない。北野は「優しさ」を履きちがえているのである。

そして、私の中の“北野先生の履きちがえているグランプリ”第1位は「妻と離婚するまでは『好き』とは言わない」宣言である。まさに優しい系クズの本領発揮。紗和に何度も「『好き』と言って」とせがまれているのに、「妻とちゃんとするまでは言えない」と頑なに拒む北野先生。妻とケジメをつけていないのに「好き」と言うのは不実であり、言わないのが彼流の「優しさ」なのだろうが、そもそも肉体関係があるのに誠意もへったくれもないだろう。もはやギャグとしか思えない理論である。

結局、この手のタイプは自分のことしか考えていないのだ。無意識下に「悪者になりたくない」「責任を負いたくない」があるから、その場しのぎの甘い言葉をかける。一見、優しさにも思えるが、単なる身勝手な自己保身からくる行動なので、最終的に相手を傷つけてしまうのである。

私も過去にその手の男性とお付き合いしたことがある。彼の家に突然遊びに行ったときのことだ。ふと洗面台を見ると、私のものではない口紅が転がっていた。明らかに浮気だと思い、追及したところ「あちゃ~、バレちゃったか。恥ずかしくて黙ってたんだけど、俺、趣味でたまに化粧するんだよね~。誤解させちゃってゴメン」と一点の曇りもない笑顔で答えが返ってきた。さすがに「そうなんだ! じゃあしょうがないね!」とは思えなかったが、「私を傷つけまいとこんな“優しいウソ”をついてくれるなんて、私って超愛されてるんじゃ」とむしろ嬉しかった。今思えば、あれは「優しさ」なんかではなく複数の女との関係を維持したい一心で放った苦し紛れにもほどがある言い訳だし、勘ちがいして喜んでたあのころの自分をブン殴りたい。

よく「彼に浮気されたけど、優しいから別れられない」と悩む女性がいるが、それは本当に「優しい人」なのだろうか。「優しい系クズ」ではないのか。そもそも、真に優しい人間は浮気などしないという点を忘れてはならない。

映画『昼顔』のクライマックス、離婚届を受け取ったあと、妻の運転する車の中で「なんであの人なの? なんで私じゃないの? 私のほうがあなたを幸せにできるのに」という妻の問いに対して「わからない。ただ紗和が好きなんだ」と答える北野先生。怒り狂った妻がアクセルを踏み込み、2人を乗せた車は爆走したまま崖から落下、北野先生だけ死亡という結末を迎える。自己中心的で相手の気持ちを思いやれない「優しい系クズ」の末路である。

「優しい系クズ」にお悩みのみなさんには、是非、その彼と一緒に映画『昼顔』を見ていただきたい。彼が改心することうけあいである。

(文:深爪、イラスト:ますだみく)

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