コンビニからチェーン店まで…食べていい弁当、食べてはいけない弁当

日刊大衆

写真はイメージです
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 今や生活に欠かせない弁当。しかし、知らぬ間に危険物を食べている可能性も。健康を導くために不可欠な知識を公開!

 バリエーション豊富な具材が詰まり、値段もお手頃。今や生活に欠かせない外食弁当。コンビニやスーパーで最も買うことの多い商品の一つだろう。「最近では栄養バランスに気を遣った宅配弁当も人気で、毎日の買い物や調理が大変だという高齢者の間でも、利用が広がっています」(流通専門誌記者)

 他にも、牛丼チェーンの丼類から定食屋などの弁当まで含めると、百花繚乱の賑わいだ。しかし、中には価格や保存性を重視するために、危険な添加物を使用しているものもあるという。10年、20年と長生きするには、食べるものに気をつけなければならないのだ。そこで、本誌記者が各店舗の弁当を持ち帰り調査。その実態を調べた。

 まずは某スーパーで、「九州産地鶏」の文字と“鶏はヘルシー”というイメージから、「ささみかつ&ハンバーグ弁当」を買ってみた。ところが、弁当容器の裏に貼ってある原材料表示を見て、ビックリ仰天。食品添加物が計21種類も使われていたのだ。前号ではインスタント食品を特集したが、添加物がひときわ多かったカップ麺でも使用されているのは15種類前後。それより多いのは衝撃の結果と言っていい。『食べてはいけないお弁当 食べてもいいお弁当』(だいわ文庫)の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏が話す。「添加物の中には人工的に化学合成されたものが数多くあります。お弁当の場合は具材が多く、どうしても10〜20種類の添加物を使わざるをえません。一概には言えませんが、15種類以上も使われているとなると、胃腸の粘膜を刺激し、胃部不快感の原因になりかねません」

 数はもちろん、重要なのは添加物の種類だ。たとえば、発色剤として使われる亜硝酸ナトリウム。お弁当に入っているハム・ソーセージ類や明太子がくっきりした色になっているのは、この化学物質を添加しているためだ。「亜硝酸ナトリウムは急性毒性が強く、肉や魚肉・魚卵に含まれるアミンという物質と反応し、ニトロソアミン類という強い発がん性物質に変化します。疫学的データなどから、これは大腸がんや胃がんになるリスクを高めると考えられます」(前同)

 つまり、ハムや明太子を食べているはずが、知らず知らずのうちに発がん性物質を口にしている可能性があるというのだ。

■避けたい食品添加物は?

 では、避けたい食品添加物にはいったい、どのようなものがあるのか。渡辺氏が挙げるのは、発色剤の硝酸カリウム、酸化防止剤の亜硫酸塩、合成甘味料のアスバルテーム、合成保存料のソルビン酸カリウム、着色料のカラメル色素だ。

 たとえば硝酸カリウムでいうと、この物質を1.5%含む飼料を牛に食べさせたところ、中毒を起こして死亡したという報告もあるという。また、亜硫酸塩は漂白剤としても使われる成分。信じ難いが、こうした添加物が使われている食品が数多くあるのだ。

 さらに、ほとんどの弁当に使われるカラメル色素には4種類あり、そのうちの2種類には発がん性の化学物質が含まれているという。しかも、原材料名欄には、どのタイプを使っても「カラメル色素」としか表示されない。つまり、“危ない2種類”が使われていても、消費者には分からないということである。

 添加物の他に注意したいのが揚げ物だ。コンビニやスーパーなどで売られる弁当は工場で作られているが、高温の油で調理されるケースが多い。その結果、「油が酸化し、有害な過酸化脂質ができてしまいます。胃腸がデリケートな人なら腹痛や下痢を引き起こすこともあります」(同)

 そして、もう一つ、市販弁当で注意したいのがミネラル不足だという。NPO法人『食品と暮らしの安全基金』(以下、安全基金)で、駅弁なども含む21種の弁当の5つのミネラル(カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅)を調べた結果、5つすべての「推定平均必要量」に達した弁当はゼロだったそうだ。安全基金の小若順一代表が話す。

「推定平均必要量というのは、これが不足したまま1か月も食べ続けると、個人なら50%の確率で、集団なら半数が病気になってしまうという数値。この調査では、その量にすら達したところがなかったわけです」

■セブンイレブンやローソンはすさまじい企業努力

 こうした課題の一方で、すさまじい企業努力がされている分野でもある。元祖・B級グルメライターの田沢竜次氏が言う。

「かつてコンビニ弁当というと、ガッツリ系ばかりというイメージでした。ところが、最近はコンビニ側も健康とヘルシーを売りにするようになっています」

 その代表例が、セブンイレブンだ。セブンは、オリジナルの弁当や、おにぎりなどに「保存料・合成着色料不使用」を宣言。本誌の持ち帰り調査の結果でも、使われている食品添加物の種類は総じて少なかった。また、ローソンも同じく、オリジナル商品で保存料・合成着色料を不使用であることをシールで表示。

 高級スーパーの成城石井も、保存料・合成着色料・合成甘味料が不使用であることを基本にし、さらに、化学調味料不使用の弁当をそろえている。牛丼チェーンの松屋にいたっては、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・合成保存料を使用していないメニューを増やし、カウンターの調味料にもそれを適用する徹底ぶり。定食チェーンの大戸屋も、添加物を使用していない。

 では具体的に、どの弁当が「食べていい弁当」なのか――本誌が都内で売られている弁当を調査してまとめた一覧表が文末のものだ。ここに挙げたのは、あくまでも食品添加物が非常に少なく、発がん性が特に疑われる添加物も使用しておらず、さらにはカラメル色素のほか、評価が分かれているクチナシ色素と増粘多糖類も使っていないなど、厳選に厳選を重ねたもの。いわば“超優等生”で、食べていい弁当は他にも数多くある。自身で選ぶ際には、添加物の種類の少なさに加えて、危険性が高い添加物をチェックしてほしい。

 しかし、ここで問題となるのが、原材料表示を示すシールが貼られている場所だ。今回調査した結果では、半分以上の弁当で底部分に表示してあった。つまり、店頭で確認するには少々、ハードルが高いのである。

■具材の数や色の濃さをチェック

 実際、本誌記者も店内でチェックしていたところ、不信者と思われたのか、何度も店員に声を掛けられてしまった。そうならないためにも、見た目で判断する手掛かりはないのだろうか。

「具材が多いと、どうしても添加物の種類は多くなります。ですから、具材が少なくシンプルなお弁当を選んだほうがいいでしょうね。たとえば、焼肉弁当。私がたまに買うのはセブンイレブンの『ねぎ塩豚カルビ弁当』です」(前出の渡辺氏)

 渡辺氏が、この弁当を選ぶポイントは具材の数に加えて、もう一つある。「ほとんどのお弁当に、カラメル色素が使われていますが、このお弁当には使われていません」(前同)

 ちなみに、「色が濃い弁当は、カラメル色素やクチナシ色素などの着色料が使われている可能性が高いんです。素材本来の色だったり、薄い色の弁当のほうが、着色料の面で安全かもしれません」(大手食品メーカー社員)

 また、前出の小若氏が選ぶ弁当は、『おこわ米八』の弁当だという。これは、安全基金の調査において、鉄と亜鉛こそ不足しているものの、他のミネラルは必要量の2倍〜6倍も含まれていたそうだ。

 こうした企業努力の結晶である弁当。賢く利用して、健康な食生活を送ってほしいものだ。

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