秋津壽男“どっち?”の健康学「がんはどんな人がなりやすいのか?手術の際も体型が経過に影響する」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 がんになる一番の要因は喫煙だと言われていますが、肥満もタバコと同じぐらいハイリスクだというのが近年の研究からわかっています

 ただし、痩せているからといって、がんの可能性がゼロになるわけではありません。先ほどの研究によれば、BMIで21未満と30以上の2つのグループは、ともにがんを患う可能性が高いという研究結果が報告されています。

 つまり「非常に痩せている人」も、がんの可能性が小さくないのです。

 性格的な傾向として、太っている人は楽観的、痩せている人は考え込むことが多いと定義しています。がんをやっつける自然免疫=ナチュラルキラー細胞は、クヨクヨする人、考え込む人のほうが弱まりやすくなります。そう考えると、痩せていて、楽観的な人はがんの可能性も低いと言えます。ただし、生活習慣は大病の可能性を高めますので、楽観的といえども喫煙&酒飲みという人は脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなります

 以上をまとめると、喫煙をせず、酒は少量で、日常的に運動を行い、1日の摂取カロリーが適度で、クヨクヨしない性格の痩せている人が「がんになりにくい理想的なタイプ」かもしれません。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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