木村佳乃『後妻業』視聴率回復の鍵はW木村の演技

日刊大衆

木村佳乃『後妻業』視聴率回復の鍵はW木村の演技

 視聴率的には苦戦を強いられているが、なにかと話題に事欠かないのが、木村佳乃(42)主演の連続ドラマ『後妻業』(フジテレビ系)である。テーマは資産家老人の遺産相続を目当てに行われる、結婚詐欺。ストーリー的には高齢化社会に伴うさまざまな問題が盛り込まれ、考えさせられる部分も多いのだが、2月19日放送の第5回の平均視聴率は5.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と落ち込んでしまった。

『後妻業』で初回から物議を醸しているのが、主人公の武内小夜子を演じる木村佳乃。いや、正しく言えば彼女の使う大阪弁である。「不自然」「聞いていてしんどい」と厳しい意見も多いが、これが慣れると、結構ハマる。そのせいか、関西地区での平均視聴率は11.3%(ビデオリサーチ調べ)と悪くはないどころか、かなりいい。見方を変えれば、木村のオーバーリアクションこそが、このドラマの核と言っていいのだ。

 大きな目と口をこれでもかと開閉させ、「けったくそワル」と毒づき「ゲハハハ!」とダミ声で笑う木村佳乃は正直、滑稽だが、だからこそドラマと割り切り、泣き笑いして見ることができるのではないか。

 そもそもシニアを狙う結婚詐欺という、限りなくゲスで不愉快なテーマを、夜10時の連続ドラマでリアルに見せつけられるほうがキツいというものである。話題の変顔も、歌舞伎の隈取を彷彿とさせる面がまえである木村の真骨頂といえよう。大阪のコテコテの風景を背に、極彩色のファッションに身を包んだ木村が見得を切る。アッサリと口あたりのいいドラマが多い中、ドロドロした昼メロを見ているようなのだ。

■高橋克典と篠田麻里子もいいスパイスに

 また、木村佳乃とタッグを組む高橋克典(54)も、持ち前の劇画キャラを発揮。後妻業の元締めで限りなくうさんくさい、けれど人情は厚い、というバックボーンを見事に感じさせている。しかも今どき夜景を背にバスローブと葉巻。さらにベッドで絡むのは、2月20日に電撃結婚を発表したマリコ様こと篠田麻里子(32)なのだが、彼女の演技が意外なほどうまい! 出番こそ少ないが、高橋と篠田のシーンは、恋愛現役感を消した木村の孤独を強める、絶妙なスパイスとなっている。

 さらにドラマの最後に流れるのは、エレファントカシマシ宮本浩次が歌う歌謡曲ワード満載のソロ曲『冬の花』。まるで昭和のメロドラマのような絵面だ。この時代錯誤感も『後妻業』の見どころといえるだろう。

 2月19日放送の第5回でドラマは第2章に突入。物語やキャストの演技は相変わらず泥くささ満点で、さらに濃くなる一方である。木村多江(47)が演じる中瀬朋美は、手段を選ばず小夜子へと追及の手を伸ばすが、敵味方でありながら友情が生まれる予感も。W木村の恥も外聞もない罵り合いは、子どものケンカを見ているようでどこかすがすがしく、ドラマのハイライトにもなっている。

 この洗練された時代にはなかなか見ることのできない、目と心にうるさいコテコテの演出を含め、今後の盛り返しが大いに期待できそうだ。

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