「いだてん」第9話振り返り。金栗四三が経験した2週間もかかるシベリア鉄道の旅 (2/2ページ)
ここまでの四三は人がよくて素直、走るのが大好き、前向きな姿ばかりが描かれましたが、ここにきてストレスが爆発したのか……日本に送った手紙や自分の日記には黒い部分も見え隠れするようになりました。同胞の弥彦にも、大森夫妻への不満を打ち明けていました。
実際、金栗四三がいいコンディションでオリンピックに臨めなかった理由のひとつには、20日間の旅による負担が大きかったことがあると言われています。
あの四三がストレスでやられてしまうほどのシベリア鉄道の旅、かなり辛かったのでしょうね……。
当時は2週間もかかった現在はウラジオストクからシベリアまでを7日間で横断できるシベリア鉄道ですが、四三たちが利用した当時はその倍の2週間もかかったそうです。
現在のシベリア鉄道も一等席、二等席、三等席とありますが、四三たちが乗ったのは二等席。弥彦いわく「うちの風呂より狭い」。ここで大森氏と四三、弥彦の三人と、知らない外国人が一緒に寝るわけです。そりゃあ精神的に辛くもなるでしょう。
ちなみに、現在のシベリア鉄道の二等席も4人の寝台部屋となっています。1泊くらいならいいかもしれませんが、何日もそこで知らない人と過ごすとなると辛いかもしれませんね。
四三たちは節約のために寝台部屋内で自炊をしていました。これは食堂車での食事が割高だったためです。最初食堂車で食事をすることになったとき、大森氏は伝票を見て「君たちは2円でいいよ」なんて言っていましたが、当時の2円は現代の感覚でいうと数万円だといわれますから、数人で囲む1食分でも万単位で飛んでいくような内容だったのです。
現在のシベリア鉄道の食堂車はそこまでとんでもない値段ではありませんが、やはり割高なようで、多くの利用者はスーパーなどで食料を買って乗るようです。
ドラマの車窓は実際に撮影した風景を使用9話の監督を担当した大根仁監督は、撮影前にシベリア鉄道に乗ってみたのだそう。ドラマでは実際の車両ではなくスタジオで撮影されましたが、その車窓に映っていたのは大根仁監督が実際に撮影した車窓の風景なんだとか。
といっても、長いシベリア鉄道の風景はほとんど山や川、民家などの代わり映えしない景色。作中では唯一バイカル湖を見て盛り上がるシーンがありましたが、あれはもしかすると監督の実体験に基づく演出だったのかもしれません。
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