〈目からウロコの健康術〉 うつや不安、イライラが続く… 実は「男の更年期障害」かも (2/3ページ)
「当院の患者さんの多くは、テレビや新聞記事などでLOH症候群の存在を知り、『自分もこの病気なのでは』と疑いを持って受診されますが、一般の方にはまだ広く知られているわけではありませんから、『悩んでいるけれど原因がよく分からない』といった潜在的な患者さんも少なくないでしょう。精神疾患の症状とも似ていますから、うつ病などと診断されて、すでに治療を受けている方がセカンドオピニオンを目的にご相談に訪れることもあります」(小山医師)
★テストステロン投与で症状軽減
では、この病気をどう診断し、治療していくのか。診断については医師が問診で具体的な症状などを聞き取り、合わせて「AMS」と呼ばれる専用の質問票でその程度を把握する。さらに、血液検査によってテストステロンの量を測定し、ガイドラインにおける治療介入の基準値と比べるなどして治療方法が検討される。
治療方法には、(1)注射または塗り薬でテストステロンを補う方法、(2)テストステロンを自力で増やすことを目的とした生活指導、(3)漢方薬などの薬物療法がある。
小山医師によると、この中で最も効果が見込めるのはテストステロンを補う方法だが、注意も必要だという。長期間にわたってテストステロンを体に取り入れ続けると、精巣でテストステロンを作る能力が低下してしまい、さらに精子を作る機能も落ちてしまうというのだ。将来的に子どもを作る希望がある男性が患者の場合、テストステロンを補う治療は行えないため、生活習慣の改善と漢方薬を含めた他の薬物療法が検討される。
一方、テストステロンの分泌量を自力で増やすための生活習慣のポイントについて、小山医師はこうアドバイスする。
「生活指導は運動と睡眠、食事、ストレスそれぞれの面に着目します。まず、運動で勧めたいのはスクワットです。男性ホルモンは精巣だけでなく筋肉でも作られており、体の中で最も大きな筋肉である太ももを鍛えることが肝要です。目安は1日40回で、時間を空けて10回ずつ行うと取り組みやすいでしょう。睡眠は健康長寿によいとされる7時間が目安。食事については赤身の肉やニンニク、ニラなどを食べることでテストステロンが増加するという報告があります。