東京ドームはイチロー歓迎ムードも、今後はマイナー落ちの可能性が

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東京ドームはイチロー歓迎ムードも、今後はマイナー落ちの可能性が

 東京ドームの熱烈的な歓迎ムードを満喫できなかったのではないだろうか。

 シアトル・マリナーズのイチロー(45)が巨人とのプレシーズンゲームに出場した(3月17日)。イチローの周りには、人、人、人…。試合前の練習中からファンはその一挙手一投足に反応し、常にフラッシュがたかれていた。スタンドの後方に座るファンもスマホをグラウンドに向け、イチローを撮影しようと夢中になっていた。

 試合は6対4でマリナーズが勝利した。しかし、イチローは3打数ノーヒットと結果を残せず、「日本開幕戦後、米に帰国したらマイナー落ち」という“憶測”をかき消すことはできなかった。プレシーズンゲーム2戦目、そして、アスレチックスとの開幕戦で不振脱出としてほしいものだ。

 「第一打席はセンターフライ。一塁まで走る途中、肩を落とし、ちょっと自虐的な表情も見せました。打った瞬間、しくじったと直感したんでしょう」(ア・リーグ中部地区スカウト)

 マリナーズ陣営の話を聞くことができた取材記者の一人がこう言う。
「試合前、マ軍のサービス監督は『今日は2打席』と言っていました。開幕戦の本番に備え、他選手もテストしておきたいところ。途中交代させるとイチローに伝えていたようです」

 結局、イチローは3打席に立っている。繰り返しになるが、同日のイチローはノーヒット。サービス監督が3打席目を与えたのは、「不振脱出への機会を作ってこい」という意味だ。球場全体を支配していたイチローへのエールを目の当たりにし、打撃で見せ場を作れないまま交代させることは忍びないとも思ったのだろう。

 「マリナーズは故障選手が何人か出ています。一塁を守ったブルースは本来外野手です。サービス監督は途中出場で一塁の守備に入ったボーゲルバックと、イチローのどちらを使っていくか考えているんだと思います。ボーゲルバックは一塁手で、去年メジャーデビューしたばかりですが、右ピッチャーに対しては驚異的な強さを誇る左バッターです。オープン戦も打撃は好調でした。三塁を守ったヒーリーは一塁のレギュラーが予定されていましたが、三塁手が故障したため、臨時でサードに回り、外野手のブルースを一塁守備につけたんです」(米国人ライター)

 レギュラー三塁手が復帰すれば、ヒーリーが一塁に帰ってくる。ブルースは本来の外野に戻ってくる。ブルースは巨人戦でも5番スタメンで出場したように、チームの主軸バッターだ。今のイチローの状態では、ブルースと勝負にならない。

 また、レギュラー三塁手抜きで戦うことになりそうなアスレチックスとの開幕戦だが、右ピッチャーにめっぽう強いボーゲルバックを使いたいとサービス監督が決めれば、ブルースに本来の外野を守らせて、「右翼・ブルース、一塁・ボーゲルバック」の布陣となるだろう。指名打者のエンカーナシオンは4番バッターだ。絶対に外せない主砲であるから、ボーゲルバックとイチローのどちらかを指名打者に回し、両方を使うという選択はない。

 「レギュラー三塁手のシーガーは、故障で左手中指の手術をしたばかり。4月中の復帰は無理と伝えられています。12年以降、マ軍のレギュラー三塁手としてチームを支えてきた主軸選手ですが、昨季は打率が2割2分台に落ち込み、キャリアワーストのシーズンとなりました。持ち前の打撃力が戻らなければ、一塁手のヒーリーをこのまま三塁で使っていく選択肢も出てきます」(前出・同)

 イチローもバットで快音を響かせれば、ボーゲルバックを蹴落とす好機も見えてくる。

 “他力本願”は悲しいが、メジャー生き残りをかけるイチローにとって、今がまさに正念場ということだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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