中小企業の生産性向上に必須な「賃金制度」 専門家が語る正しい運用法(1) (2/3ページ)

新刊JP

――山元さんは中小企業を対象に組織生産性を高める社内制度づくりをテーマにした著書で知られています。今回の本で賃金制度を取り上げた理由を教えていただければと思います。

山元:これまでに経営計画や人事評価制度についての本を書いてきましたが、いずれもゴールは「人材の成長」でした。ただ、最終的には成長が賃金に反映される必要がありますので、今回はそのための仕組みづくりをテーマにしています。

前回の本を読んでくださった方からも、賃金制度について教えてほしいという声が多かったのも理由ですね。

――従業員みんなが納得する賃金制度を作る難しさを痛感する内容でした。賃金制度導入で起こりうる失敗例を教えていただければと思います。

山元:コンサルタントとして駆け出しの頃はクライアント企業の社長のニーズに応えるだけでしたから、「従業員が賃金に不満を持っているから賃金制度を導入したい」と言われたらその通りに賃金制度だけを作って導入していたのですが、そのほとんどが失敗に終わりました。賃金制度だけをいきなり導入してしまうと、従業員がかえって不満を溜めてしまうんです。

――なぜでしょうか?

山元:昇給の仕組みだけをつくっても、昇給させるかどうかという評価のための仕組みがなかったり、あっても不透明だったからでしょうね。評価をする現場のリーダーの評価スキルが育っていなかったというケースもあったはずです。

こうしたものが揃わないうちにいきなり賃金制度を導入すると失敗しやすいんです。

――そもそも賃金制度がない会社もあるんですか?

山元:あります。制度自体が存在しない会社もありますし、一応就業規則に賃金表があるものの実態とかけ離れているという会社もあります。小さい会社だと査定をする人事・総務部がなかったりすることもありますし。

たいていは社長がそれぞれに対して、今貰っている給料をベースに「今期はがんばったからこれだけ上げよう」とか「賞与は前回この額だったから今回はもう少しあげよう」とか一人で決めているケースですね。

――そういう状態が長く続くと従業員から賃金を決めるルールを作ってほしいという要望が出るのは予想できます。

山元:そうですね。

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