第六感なのか?一部の人間の脳は地球の磁場を感じることができる(米研究) (2/4ページ)
にもかかわらず、4名(34名中)の脳では、最大半分もアルファ波が低下したことが観察されたのである。これは磁場という外部の刺激が脳によって処理されていたことを示している。
カーシュビンク氏によると、この4名は特に強い反応を示していたが、参加者の3割程度に同じようなパターンが生じていたという。
・人によって磁覚の違いは様々
このように参加者によって磁場への反応に違いがあったのは、人間の感覚の鋭さが個人個人で異なることと同じだと考えられる。
たとえば、人の中にはワインを飲んで、それがフランスのどの地方で作られたものか言い当てられるほど、鋭敏な味覚の持ち主がいる。
一方、ワインの味などどれも同じにしか感じられない人もいるだろう。
同様に、磁場に強く反応できる人とできない人がいるのだろう。ならば、アルファ波の低下が弱かったからといって、そうした人は磁力を感じられないということにはならないはずだ。
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・磁場の向きに対する反応の違い
参加者の脳は、磁場が水平に回転しつつも、下向きにおよそ60度に傾いているとき(北半球中緯度に似る)にだけ反応した。上を向いているときのように、磁場が”不自然”な向きになると反応しなかったのだ。
カーシュビンク氏は、これも合理的なことだと考えている。
こうした不自然な磁場の向きは、岩に落雷があったり、かなり広い範囲に磁鉄鉱があったりする場合に生じるもので、自然界ではそれほど珍しいわけではない。
しかしこの磁場の変化は、いわば誤情報のようなものだ。ゆえに、ここを移動する動物は、これを無視できたほうが都合がいいかもしれないのだ。