『まんぷく』安藤サクラ、“土曜日の女”戦略が成功の鍵だった (2/2ページ)
まんぷくヌードルも完成に近づいた。そう、土曜日だけ見ておけば、その週の放送がなんとなく分かってしまうように作られていたのだ。
世良(桐谷健太/39)が塩を闇業者に売って売上をごまかしたときも、一件落着したのは土曜日(第42話)。まんぷくラーメンを作るのに四苦八苦していたときも、土曜(第115話)に完成と、とにかく土曜日に話が落ち着くのが『まんぷく』の特徴だった。過去には土曜日以外に急展開を持ってくる朝ドラも見受けられたが、1週間単位でドラマを作ってくれると、見やすいドラマになるということを痛感した。
■土曜日は福子・安藤サクラが活躍!
次の理由はこの“土曜日”の放送で、ヒロイン福子にスポットライトが当たっていたこと。第139話では幸の失恋を励ます、福子の母親としての姿がクローズアップされた。前述の第42話では世良を出し抜いたのは萬平ではなく福子だったし、115話でもラーメンが完成した後に、萬平は福子に感謝してその労をねぎらっている。土曜日は福子の活躍回でもあったのだ。ストーリーを進行するのは萬平だが、それを支え、優しく見守る福子をしっかり描くことで物語に深みを生んでいた。ヒロインがヒロインらしく活躍し続けたことは、視聴者にも好印象だったのではないだろうか。
2013年上半期の朝ドラ『あまちゃん』は、スピーディな展開で若い視聴者を取り込んで話題となったが、一方で旧来の朝ドラ視聴者であるシニア世代にはついていきにくい作品だったという話も耳にした。その点、『まんぷく』は全世代に支持された作品だったといえるだろう。視聴者が置いてけぼりにならない、ヒロインがちゃんと活躍してくれる『まんぷく』には、朝ドラらしさが詰まっていたのだ。
誰が見ても気持ちよいこと。これも朝ドラの一つの定義だと、あらためて教えてくれる作品だった。最終回まであとわずかだが、最後までゆっくりと楽しみたい!(朝ドラ批評家・半澤則吉)