神社に勤めるにはどうしたらいいの?そして神職には階位、身分、職階の三つのランクがある

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神社に勤めるにはどうしたらいいの?そして神職には階位、身分、職階の三つのランクがある

寺や神社は世襲制のイメージが強いですよね。でも実はそうでもありませんでした。神社で働いてみたい!という人は、どのようにすればいいいのでしょうか。

神社に奉職するにはどうしたらいいの?

神学を学べる大学を卒業するか、全国6カ所にある神職養成所に入り、神道に関する歴史・雅楽・書道など専門課程を修了し、定める試験に合格することで神職に就く資格(=階位※後述)を得られます(皇學院大学、國學院大學、神宮研究所など)。

ちなみに階位は大学からではなく、神社本庁から与えられます。また、神社に勤めることは「奉職」と呼びます。

神職って漠然すぎて・・・宮司と禰宜ってどう違うの?

私たちは何気なく宮司さん、神主さんと音でいますが、神主は正確な呼称ではありません。「神職」というのが神社に勤める人たちの総称です。

神社本庁が定める規定により、神職には三つのランクがあります。神職になるための資格で学識の指標である「階位」、神職となった者に与えられ経験や功績を反映する「身分」、そして神社内の役職である「職階」です。

この三つの関係性はなかなかピンとこないかもしれません。順を追って説明します。

職階

本来は階位から説明すべきですが、神社内の役職名が今後頻発しますので、こちらから説明します。

・宮司・・・その神社の長のこと。
・権宮司・・・宮司の補佐的な役目。比較的大きな神社に設けられています。
・禰宜・・・宮司(権宮司がいる場合は権宮司)の次席にあたります。
・権禰宜・・・禰宜の次席にあたります。

ちなみに日本全国には8万社ほどの神社がありますが、宮司は1万人ほどしかいないようです。

常駐している宮司がいない小さな神社では、他の神社の宮司が兼任しています。そうすると神社に宮司一人のみになるため、一般人にとって神職=宮司というイメージがつきやすいようです。

階位

「階位」は有しているだけでは神職であるとはいえず、あくまで神職に就く資格があるという状態です。五段階あります。

・浄階(じょうかい)・・・階位の最高位で、長年神道の研究に貢献した人に与えられます。
・明階(めいかい)・・・別表神社の宮司及び権宮司になるために必要。また、伊勢神宮の大宮司以外ならどの神社の宮司にもなれます。
・正階(せいかい)・・・別表神社の禰宜及び宮司代務者になるうために必要。
・権正階(ごんせいかい)・・・一般神社の宮司及び宮司代務者。別表神社の権禰宜になるために必要。
・直階(ちょっかい)・・・一般神社の禰宜及び権禰宜になるために必要。

※別表神社とは、神社本庁が選定した比較的大きな300ほどの神社のことです。

身分

身分は6級あり、「権禰宜以上の職階」と「階位」を有している人に与えられます。ちなみに身分に応じて袴の色が変わります。

・特級・・・神社本庁統理、神宮の大宮司及び表彰規定第二条第二号の表彰を受けた者
・一級・・・神宮小宮司、表彰規定第二条第一号の表彰を受けた者、及び浄階で身分選考委員会を経た者
・二級上・・・神宮禰宜、別表神社の宮司・権宮司及び二級神職で身分選考委員会の選考を経た者
・二級・・・神宮禰宜、別表神社の宮司・権宮司及び三級神職で身分選考委員会の選考を経た者
・三級・・・神宮権禰宜または宮掌及び権正階以上の階位を有する者
・四級・・・そのほかの神職

〈袴の色〉
・特級・・・白袴に白地の紋(固織有紋)
・一級・・・紫の袴に白地の紋(固織有紋)
・二級上・・・紫の袴に薄紫の紋(紫固織文藤の丸共緯)
・二級・・・紫色の袴(紫平絹無紋)
・三級、四級・・・浅黄色の袴(浅黄平絹無紋)

要するに一級以上は紋付き袴ということですね。
私たちが普段接するのは三級以下の神職の方が多いようです。浅黄色は鮮やかな水色のような色です。この袴をつけて作業している神職の方をよく見かけるのではないでしょうか。

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