甲子園開幕! 春の選抜高校野球「金の卵リスト」

日刊大衆

写真はイメージです
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 紫紺の大優勝旗を目指して戦う選抜高等学校野球大会。プロ野球界も熱視線を送る球児たちをリストアップ!

 3月23日、いよいよ春のセンバツ、第91回選抜高等学校野球大会が開幕。今年もプロ野球界から注目を集める逸材が甲子園に集結。そこで、本誌は甲子園の開幕に合わせて、出場する選手たちを中心に、今年のドラフト候補となるエリート選手たちを一挙に紹介する!

 ただ、残念なのは、今年のナンバーワン投手と目される、佐々木朗希投手を擁する岩手県の大船渡の出場がかなわなかったこと。「高校野球マニアとして知られる長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が、どこからか情報を仕入れて、佐々木投手のピッチング映像を取り寄せたそうです。ミスターも、甲子園の舞台に立つ佐々木の勇姿を見たかったでしょうね」(巨人軍関係者)

 ちなみに、ミスターは「甲子園のスターは積極的に獲りに行くべき」という持論を持つ。そのミスターのお眼鏡にかなった佐々木は、どんな選手か。「“平成最後の怪物”と称される逸材です。体格や投げ方から大谷二世とも呼ばれますが、高校時代の大谷以上と評価するスカウトもいる。甲子園出場がかなわなくとも、ドラフトの目玉となることは間違いありません」(全国紙運動部記者)

 ソフトバンクホークスの王貞治会長も、「うちも絶対欲しい選手。ビデオを見たけど、本当に大谷にそっくり。何球団の競合になるのか、今から心配だ」と絶賛。佐々木は、2年生秋の時点で時速157キロを計測しており、160キロオーバーを、すでに視野に入れている。間違いなく特A級の逸材と言えよう。

 佐々木以外にも、大型の本格派投手がズラリ。「今年の高校生投手は、“四天王”とも“四天王プラスワン”とも言われる豊作の年。これらの投手は、いずれもドラフトの1、2巡目で名前を呼ばれることが確実視されています」(スポーツ紙記者)

 その四天王で佐々木に次ぐ2人目は、星稜(石川)の奥川恭伸投手。昨年、2年生で唯一、U-18日本代表に選出された逸材だ。「代表合宿では、根尾昂と同室になり、かわいがられた。根尾からは“こういう展開のときは、こう投げろ”と、具体的な投球術を伝授されたそうです。第100回記念大会となった昨年夏の甲子園では、開幕戦で、いきなり自己最速の150キロを記録するなど、天性のスター性を持っています」(前同)

 ちなみに、甲子園で2年生投手が150キロ以上を計測したのは田中将大大谷翔平、安楽智大に次ぐ史上4人目の快挙。先輩たちが軒並みメジャーやプロ野球で活躍していることを考えれば、奥川もまたプロで活躍するA級素材と言っても間違いないだろう。

■『たけしのスポーツ大将』にも出演した横浜の及川雅貴

 四天王の3人目は、横浜の及川雅貴投手。中学時代からU-15日本代表に選ばれた左腕の逸材だ。「中学時代、『たけしのスポーツ大将』に出演。西武の秋山翔吾や中日の平田良介と対戦し、平田から空振り三振を奪いました。高校入学前から、その才能の高さは知られていましたね」(民放関係者)

 しかし、野球専門誌『野球太郎』の持木秀仁編集長は、及川の「安定感」に危惧を覚えるという。「プロで通用する能力を持っていることは確かでしょうが、制球力に問題があり、ときおり自滅してしまいます。この課題を克服できているかどうかを、プロのスカウトはしっかりと見極めようとするでしょう」

 昨秋の関東大会では、カウントが苦しくなるとボールを置きにいくクセが出て、7回コールドで敗退という屈辱を味わっている。「そんな負け方をしたチームは、ふつう選抜されません。主催者が横浜高校のネームバリューが欲しくて、無理やりねじ込んだという噂も流れています。甲子園で同じようなことを繰り返せば、プロの評価は一気に下落してしまうでしょうね」(高校野球関係者)

 甲子園では、きっちり結果を出して、A級の逸材ということを証明してほしい。

 そして、四天王最後の一人が、岡山・創志学園の西純矢投手。「残念ながらセンバツへの出場はかないませんでしたが、150キロの速球とキレのある変化球で、昨夏の甲子園で三振の山を築いたことは記憶に新しい。2年生時点で“今すぐ欲しい”と発言していたスカウトもいるほどで、実力は折り紙つきです」(前同)

 しかし一方、こんな声もある。「三振を取った後に雄叫びを上げたりする姿に、一部から批判の声が出ていました。プロの目から見ると非常に子どもっぽく見えますし、弱さの表れとも取れます」(前出の持木編集長)

 及川同様、どれだけ試合をまとめていけるかが今後の課題だが、素材はA級といっても問題ないだろう。

■四天王に勝るとも劣らない岩本大地

 前述の四天王に勝るとも劣らない実力を持っていると評されるのが、21世紀枠で出場する石岡一(茨城)の岩本大地投手だ。身長175センチとそれほど上背はないが、ガッチリした体つきから放たれる最速147キロの速球と、スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットを組み合わせて打者を翻弄する。「ポテンシャル的には、これ以上の上積みはないかもしれませんが、持てる力を最大限に生かし切っていると思います。甲子園での活躍次第では、吉田輝星のようにブレイクするかもしれません」(持木編集長)

 捕手では、智弁和歌山の東妻純平が面白そうだ。実は東妻は、昨秋のドラフトでロッテに2位指名された東妻勇輔投手の実弟。「プロの世界で兄弟バッテリーを実現させたい」というのが夢だと、本人は口にしている。

「もともと内野手でしたが、肩が強いことから、プロ野球出身の中谷仁監督が捕手にコンバートさせたところ、あっという間に高校を代表する捕手に成長しました。ただ唯一の欠点は身長172センチと小柄なところ。現時点では、高校生捕手としての総合力では滋賀・近江の有馬諒にかないません」(スポーツ紙デスク) こうした評価を覆せるかどうかはセンバツでの活躍次第。総合評価はBといったところか。

■内野手では東邦の石川昂弥

 続いては内野手を見ていこう。東邦(愛知)の石川昂弥が、スカウトからマークされている。強肩強打の三塁手だが、投手としても活躍する二刀流の選手だ。「チーム事情で昨秋はマウンドに上りましたが、プロのスカウトたちは、完全に野手として見ています」(持木編集長)

 高校通算39本塁打を叩き出した長打力はダテじゃない。振り切るスイングが特徴だが、広角に長打が打てるのが魅力。投手としてラクに149キロを投げられる肩の良さは、三塁手としても大きな武器だ。内野手としてはA級といえるだろう。

 長打力では桐蔭学園(神奈川)の森敬斗遊撃手も魅力だ。「昨秋の関東大会でサヨナラ満塁弾を含む3本塁打を放ったことで、チームのセンバツ出場が決まりました」(高校野球担当記者)

 しかし、チーム事情に不安要素があるという。「桐蔭学園から直接プロに入った選手は近年、ほとんどいません。プロの道を選ぶかどうかは本人次第でしょう」(持木編集長) 前例を破ってプロ入りなるか。その活躍に期待したい。

■山梨学院の野村健太は清宮幸太郎のように

 最後は外野手を見ていきたい。まず、真っ先に名前が上がるのは山梨学院の野村健太。180センチ、88キロという体格からも分かるように、下半身と腕っぷしの強いスラッガータイプだ。昨夏の甲子園で、左ポール際中段に放った特大アーチは観衆の度肝を抜いた。野村は、その飛距離から“山梨のデスパイネ”というニックネームを頂戴している。

「パワーと飛距離は本当に高校生離れしています。長打力に関して言うことはない。ただ、守備面には課題も多く、いわゆる打つだけの選手。セ・リーグのチームは手を出しづらいのではないでしょうか」(持木編集長)

 もしもプロに行くなら、清宮幸太郎のようにパ・リーグということになるのかもしれない。守備の課題ゆえ、Bといったところか。

 最後の一人は大阪・履正社の井上広大だ。「身長188センチ、体重97キロ、靴のサイズが31センチという規格外の体格から長打を量産するスラッガー。もともと捕手でしたが、外野手に転向しました。1年生の冬に右膝にケガをして、昨シーズン終了後の11月に手術に踏み切りましたが、術後の経過は順調。守備も走塁も問題なしで、センバツでの大暴れが期待されますね」(野球専門誌デスク) ケガの過去を鑑みると、Bクラスだろうか。

 最後に、持木編集長に今年の金の卵たちの全体的な評価を尋ねてみた。「全体的にレベルの高い選手が多く、豊作の年と言えるでしょう。ただ、ドラフトの上位指名確実と思われる超A級、あるいはA級の選手が、投手に偏っていることは確かです。投手の充実ぶりに比べると、野手ではドラフト上位確実と思われるような選手が見当たらないのは寂しい」(持木編集長)

 また、これまでノーマークであったとしても、甲子園で大活躍し、「こんな選手がいたのか」と、プロのスカウトやファンを驚かせてくれる逸材が登場することを期待したい。

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