『まんぷく』長谷川博己が見せた『シン・ゴジラ』以上の評価とは? (2/2ページ)
とくに夢を見るシーンは大反響で、「萬平さんの顔芸がたくさん見られて幸せです」などツイッターにもコメントが相次いだ。
しかし注目すべきは顔芸だけではない。『まんぷく』は俳優、長谷川博己の可能性を広げる作品となったのではないだろうか。福子と漫才をしたり、ダネイホンの広告では派手なスーツを着るはめになったり、鈴(松坂慶子/66)とはいつまでもチグハグなやりとりをしたりと、萬平はたくさんの笑いを提供してくれた。シリアスな場面が多かった本作だが、振り返ると萬平が笑わせてくれた思い出ばかりだ。まじめで職人気質なのに天然で憎めない男、というギャップも最高だった。
もちろん、これは演じていた長谷川博己の演技力のなせる業だ。『まんぷく』ではいい意味で、これまでの“長谷川博己像”を崩すことができたように思う。2011年のドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)で見せた優柔不断な父親役、2014年『MOZU』(TBS/WOWOW)でのぶっ飛んだ犯罪者役と、長谷川は個性的な役柄をこなしてきた。
■長谷川博己は『まんぷく』で国民的俳優に!
そして16年に大ヒットとなった映画『シン・ゴジラ』で彼が演じた主人公、矢口蘭堂はインテリジェンスとリーダーシップがあふれるイケメンだった。これは長谷川本人のイメージとも近く、それまでのキャリアの集大成ともいえる役柄だっただけに、『まんぷく』でのツッコミどころ満載な変人、萬平はまさに新境地と言えるだろう。独特の笑いを生み出す今回の萬平役は、ハセヒロの今後の活躍を期待させる名キャラクターだった。
『家政婦のミタ』、『シン・ゴジラ』と時代を代表する作品で名を上げてきた長谷川博己は、『まんぷく』で正真正銘、国民的俳優になった。来年の大河ドラマ『麒麟がくる』(同局)では主人公の明智光秀を演じる。ぜひ萬平さんらしさを感じさせるような笑いや、人間味あふれる演技にも期待したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)