荻野目慶子のフルヌードが鮮烈!萩原健一の犯罪映画『いつかギラギラする日』

まいじつ

荻野目慶子のフルヌードが鮮烈!萩原健一の犯罪映画『いつかギラギラする日』

作品目『いつかギラギラする日』
松竹 1992年 DVD発売中
監督/深作欣二
出演/萩原健一、木村一八、荻野目慶子、千葉真一、石橋蓮司ほか

内田裕也(享年79)の悲報から2週間もたたぬ3月26日、同じくアウトロー体質が強烈なスター、萩原健一が死去した(享年68)。

内田死去の際、彼は悼む声をマスコミに送っていただけに急死の印象が強いが、2011年から闘病していたそうで、本人の希望により公表されなかったという。奇しくも2人の共通項は、逮捕歴複数回、それも大麻取締法違反で重なっている。昭和のヤンチャな得難いキャラがまたこの世を去り、寂しい限りである。

彼の代表作は多々あるが、このアウトロー映画の快作で偲びたい。

神崎(萩原)は、昔の仲間の井村(石橋蓮司)、柴(千葉真一)らとともに、若い角町(木村一八)の話に乗り、現金輸送車を襲撃する。だが、強奪金を巡って仲間割れが生じ、柴の愛人・麻衣(荻野目慶子)も加わり、奪い合いとなる…。

新聞沙汰になった人優先のキャスティング

とにかく、萩原からハミ出し者のニオいが強烈に発散される映画で、バンソウコウを鼻にベタリと貼った顔すらアウトロー特有の色気を感じるほどだ。強奪金は予定より少ない5千万円、それでも欲しいゲンナマ5千万! 色と欲との争奪戦が始まる、って、こういう映画大好きだね。おまけに監督は『仁義なき戦い』の深作欣二だし、作品の熱量は相当なもの。監督の言によると、前記の配役は「新聞沙汰になった人、優先(笑)」だったそうで、「そういう私も〝女性ネタ〟で騒がれましたが…(苦笑)」というオチがつく。最近の例なら、新井浩文やピエール瀧を、あえて起用するようなものか?

特に、荻野目慶子の起用は冴えていた。『南極物語』(83年)など清純派イメージの強かった彼女が、恋人の映画監督の自殺などで〝魔性の女〟呼ばわりされるのに耐え切れず、アメリカに〝逃げて〟いたところを、奥山和由プロデューサーが「あの子、面白い」と呼び戻し、この麻衣という最初は千葉真一の愛人役で、後に木村一八に乗り換えるメス猫のようなキャラに抜擢したという。すると、派手な衣装でテンションMAXのクレージーな悪女ヒロインを開き直ったように演じ、木村とのベッドシーンではフルヌードも辞さず、形よい乳房をフルオープンし、強烈な印象を与えてくれた。

クライマックスの木村との対決で、萩原が言うセリフ「好きな歌の1つでも歌って死ね!」がサイコウだった。この映画の取材時、当時の萩原のマネジャーに「彼はショーケンと呼ばれるのは嫌がるので、ご注意を」とクギを刺され、それを順守したせいか「今回の相手は〝デンジャラス深作〟だから不足はないよ」と、終始上機嫌でインタビューに答えてくれたことを昨日のように思い出す。もうすぐ、平成も終わる。さらば、昭和のアウトロー、の気分である。

(映画評論家・秋本鉄次)

荻野目慶子のフルヌードが鮮烈!萩原健一の犯罪映画『いつかギラギラする日』まいじつで公開された投稿です。

「荻野目慶子のフルヌードが鮮烈!萩原健一の犯罪映画『いつかギラギラする日』」のページです。デイリーニュースオンラインは、秋本鉄次のシネマ道萩原健一映画エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る