森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★子供に金儲けを教えるべきか (2/2ページ)

週刊実話

しかし、会社は従業員や消費者、さらには地域住民のためのものである。株主が事業資金を出したからといって、会社を単なる金儲けの道具にしてよいということにはならないのではないか。

 もちろん、私は株式投資を否定しているわけではない。ただ、国民生活の向上のために頑張っている企業が事業を行うための資金を長期的な視点で応援するというのが、本来の株式投資なのではないだろうか。5年、10年と株式を持ち続けて、良い時も、悪い時も、会社と運命を共にする覚悟を持った人が、株主になるべきではないだろうか。

 投資資金を1年で精算させるという村上氏の構想には、そうした視点がまったくないのだ。

「子どもたちの中から、スターの投資家が現れれば、社会は変わるはずだ」と村上氏は述べている。それはそうかもしれない。だが、世の中の子供たちが、日々バクチに興ずる社会は、本当に望ましい日本の未来なのだろうか。

「森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★子供に金儲けを教えるべきか」のページです。デイリーニュースオンラインは、マネーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る