分散投資はもはや不要?「投資は米国1本でOK」の理由とは (2/4ページ)
この本のメッセージは「米国株指数を投資対象にした投資信託にすべし」とシンプルです。なぜかというと、初心者があれこれ選ぶと失敗しやすい。もちろん失敗も経験ではあるのですが、「授業料」を払わないといけませんし、取り返しのつかない失敗をしてしまうこともあります。
投資というと「一攫千金」の夢を見てしまう方は多いのですが、そんなことは実際にはほとんどありませんし、勝ち逃げできるほど世の中甘くない。どこかで大きく損をするくらいなら、最初から着実に積み立てる方が結局は資産形成には近道なんです。
――本書では米国株を対象にした投資信託に月3万円を30年間積み立てて、3000万円の資産をつくる手法が明かされています。30年間というとかなり長いなという印象です。太田:若い方は長いと思うかもしれませんが、僕の年齢になってみると30年なんてあっという間ですよ。
30年前の投資信託は証券会社の手数料稼ぎのための金融商品という感じでめちゃくちゃなものが多かったのですが、最近になってようやくまともになってきて、この本で紹介しているようなまともな商品も出てきています。
――太田さんの提唱する投資法はEU圏や他の地域に投資先を分散させず「米国一本」に投資する点が特徴的です。この理由はどんなところにあるのでしょうか。投資先は分散させるのがセオリーだと思うのですが。太田:一つ言えるのは、かつてセオリーとされていたことが今は通用しなくなっているということです。昔は「投資を株式と債券に分散させておけばリスクヘッジになる」というようなことが言われていて、実際に株が下がっても債券が上がったりしていたのですが、今は金融にしても実体経済にしても、米国を中心として世界の動きは同期していますから、何らかの金融危機が起きると一緒に下がりますからね。
例えば、国債を20年とか30年間、上がろうと下がろうと売らずに最後まで持っている人は別として、今は昔とはリスクの種類が違うといいますか、特にリーマンショック以降は昔の投資の教科書には当てはまらない時代になっています。
――なるほど。太田:また、マクロ視点で見ると米国という国自体がひとつの持株会社やヘッジファンドであるとも捉えられます。