安藤サクラ『まんぷく』で起こした「朝ドラ革命」 (2/2ページ)

日刊大衆

『まんぷく』はオーディションなしで30代の安藤サクラを主人公に指名したが、すでにキャリア10年以上の有名女優だっただけに、朝ドラヒロインとしてのインパクトは大きかった。主人公が年齢を重ねる姿が描かれる朝ドラの中でも、もっとも違和感がなくおばさんになったヒロインといえるだろう。そのおかげで半年間、安心してドラマを楽しむことができたのだが、彼女はまだ33歳。それが50代の福子を堂々と演じていたのだから、その演技力の高さには驚くしかない。

 また安藤サクラが朝ドラ初の“ママヒロイン”だったことにも、触れておきたい。実生活で子育て中ということも演技に活かされたはずだ。本作は日清食品の創業者夫妻がモデル。お仕事ドラマになりそうでならず最後までホームドラマであり続けたのは、妻であり母である、安藤の愛あふれる芝居のおかげだろう。

 実は『なつぞら』のヒロイン発表は、99作目の『まんぷく』よりも先だった。朝ドラはNHKの東京放送局と大阪放送局が交互で制作しているため、東京制作の『なつぞら』が、人気女優である広瀬すずをヒロインに据えたことは、大阪放送局を大いに刺激したはずだ。

■安藤サクラが朝ドラを変えた!

『まんぷく』には実力派の安藤サクラが起用されたのだが、平均視聴率も高く、文句なしの成功。笑いも涙も振りまく安藤のあたたかい演技が『まんぷく』を見事なドラマに仕上げ、逆に100作目『なつぞら』にプレッシャーをかける結果になった。

 ちなみに『なつぞら』の後の101作目、『スカーレット』のヒロインは、こちらも30代の人気女優、戸田恵梨香(30)だ。朝ドラ“100作目”というアニバーサリー前だからこそ起こった安藤サクラの起用が、30代ヒロインという新潮流を生んだといってもいい。

 朝ドラはこれまで若手女優発掘の場だったが、今後は人気女優がその名を知らしめる場としても話題になるだろう。数年後、『まんぷく』が朝ドラの転換期だったという評価を受けても、おかしくはない。いずれにせよ、99作目の『まんぷく』で、ヒロインが安藤サクラだったことは、あまりにも大きな幸せだった。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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