監視カメラに不審人物が!?警察が映像を確認したところ、そこには街灯の明かりを利用して宿題をする少年の姿が(ペルー)

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監視カメラに不審人物が!?警察が映像を確認したところ、そこには街灯の明かりを利用して宿題をする少年の姿が(ペルー)
監視カメラに不審人物が!?警察が映像を確認したところ、そこには街灯の明かりを利用して宿題をする少年の姿が(ペルー)


 家の中が暗くなったら照明をつければいい。ライトが室内を照らし出してくれる。だがそれは当たり前のことではない。電気を引く工事を行い、照明器具を設置し、電気料を支払っていればの話だ。

 世界の貧しい地域では電気を引くお金もなく、ロウソクの火に頼る暮らしを送っている人々がいる。

 南米ペルーのある町で、地元警官が監視カメラ映像に怪しげな人物の姿がとらえられているのを発見した。街灯の下で何やらもぞもぞ動いている。

 良からぬことをしているのでは?と映像を拡大してみた所、なんとそれは、街灯の明かりを頼りに、健気に宿題をするひとりの少年の姿だったのだ。

Nino utiliza luz del poste para realizar sus tareas escolares

・地元警察が監視カメラ映像にうつる不審な人影を発見

 ペルー北西部トルヒーリョ市にあるモチェという町で、3月末近くに監視カメラ(CCTV)を確認していた地元警察は、映像の中に不審な人影を発見した。

 その人物は、夜中に歩道でひとり座り込み、何かをしているようだった。

 警察がカメラをズームインして映像を見てみると、小学生ぐらいの少年が街灯の真下でノートに何かを書き込んだり、読んだりしていることがわかった。

 決して犯罪者などではない。街灯の明かりを利用し、健気に勉強をする少年だったのだ。

 少年の勉強熱心な姿に心を打たれた警官は、その監視カメラ映像をフェイスブックの公式アカウントでシェアした。

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・そこには悲しい現実が・・・

 この映像はSNSであっという間に拡散されていき、少年の姿は世界各地のメディアでも伝えられるところとなった。しかし、この映像の裏には悲しい事実があったのだ。

 この少年の身元を突き止め、母親と話をすることができた地元メディアは、少年が地元の小学校に通う6年生、Victor Martin Angulo Cordoba(ヴィクター・マーティン・アングロ・コロドバ)君であることを知った。

 ヴィクター君の母親 Rosa Angulo Cordoba(ローザ・アングロ・コロドバ)さんが、地元メディアの『Panamericana TV』に語ったところによると、一家は貧困生活を送っていることから、電気メーターを設置するお金がなく、電気が使えないので、ロウソクの明かりで夜を過ごしているという。

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 これまでヴィクター君は、日が落ちるまでに学校から指示された宿題を終えることができなかった時は、小さなロウソクの明かりで宿題をしていたが、それでは光が足りないため、やがて外に出て街灯の下で宿題をするようになったという。

 そのことについてローザさんは、取材でこのように語った。

ある日、息子は『これじゃ勉強できないよ。外で宿題をしてくる』と言い、家を出たのです。ロウソクの明かりは小さいので、宿題をするためには息子は頭をかなり傾けなければならず、かなり首が凝ってしまうという状況になっていました。

 3人きょうだいの末っ子で、現在12歳のヴィクター君は、家の雑用もきちんと手伝い、家族が飼っている羊の世話も毎日しながら、学校で良い成績をとるために懸命に勉強しているそうだ。


Ejemplo de superacion: escolar hace sus tareas en la calle

・モチェ町長が訪問。電気メーターを設置することを約束

 このニュースがメディアで話題になり、モチェ町長のアルトゥーロ・フェルナンデス・バザン氏がヴィクター君の家を訪問した。

 少年の行いを賞賛し、ヴィクター君が毎晩外に出なくても済むように、電気メーター設置料金を自身のポケットマネーで支払うことを約束した。

 ヴィクター君は

町長さんが、約束を守ってくれたら嬉しい。家に電気が通れば、外で宿題をする必要がなくなる。僕は、家族を助けて支えて行けるように、将来は警察官になりたいんだ。それで、世の中の汚職を失くすんだと

と話した。

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 なお、モチェ町では人口の5%が、ヴィクター君一家のように電気のない生活を送っている。

 私たちが何気なく使用している電気だが、世界にはヴィクター君のように、電気を使えない人もいる。勉強をしたくてもそれすら叶わない子供たちも多いのだ。

・ホタルの光ならぬマクドナルドの光。マクドナルドの照明を頼りに路上で勉強していた少年に世界が感動(フィリピン) : カラパイア

 当たり前にあると思っているものは、実は当たり前ではない。このニュースは、ヴィクター君の姿を通して、私たちに「当たり前にあるもの」のありがたさを再認識させ、資源を大切に使うというメッセージを伝えようとしているのかもしれない。

References:Boy, 12, has to do his homework under a street lamp because his mother can't afford to pay their home's electric bill in Peru / written by Scarlet / edited by parumo
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