漫画や絵本を通じて仏教に親しむ (2/2ページ)

心に残る家族葬

その名も「ポップアップ絵本 おしゃかさま」。

内容は「お誕生」「四門出遊」「降魔成道」「説法の旅」「涅槃」という5部構成の全10ページ。圧巻はなんと言っても立体部分の精巧な仕掛けである。まず、カラフルな色彩で、お釈迦様の世界を妥協なく描き込んだイラストがすごい。さらに細部まで工夫が凝らされた仕掛けと、お釈迦様の生涯を感動的に綴るダイナミックなページ展開に驚かされるが、この本の作者である諸橋精光さんが真言宗の僧侶であると同時に、美術学校を卒業した紙芝居作家だと知って納得した。普通の絵本作家ならば、仏教の世界をあれほど忠実に表現する事は出来なかっただろう。仏教と芸術の両方に精通した作家にしか作れない超大作である。2012年に刊行されたこの本は、布教活動や読み聞かせに活用されていたが、現在は一般には販売されていないようだ。しかし、ぜひ一度、実物を見てみたいものである。



■記憶に残り続ける仏教漫画

子供の頃、衝撃を受けたあの仏教漫画を今でもふと思い出し、もう一度読んで見たいと思う事がある。先日、電子書籍で「地獄と極楽」という仏教コミックスを見つけ、これはもしやあの漫画ではあるまいかとドキドキしながら試し読みしてみたのだが、絵柄がはるかにハイレベルで、あの時の漫画とは別物だとがっかりした。

もし、どこかのお寺がまだあの漫画を所有しているならば、いつかまた再会出来る事を願いたい。


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