レオナルド・ダ・ヴィンチは航空写真もない時代、いかにして正確な街の地図を描き上げたのか?(イタリア) (3/3ページ)
街角を曲がるたびにその角度を記録し、その区間の距離を計測するという骨の折れる作業を繰り返しながら、正確な地図作りに必要となるデータを収集。それに基づいて地図を描き上げたのである。
彼が使った手法はいずれも、当時の測量技師、建築家、都市計画家、地図製作者が普通に利用できたものばかりだ。
・芸術家ならでは美意識も
ダ・ヴィンチは数学を大いに信頼していたが、一方で当代最高の地図製作者のように、地図を美しく仕上げたいとも思っていた。
彼の地図には、不正確な部分もある。だがそれが計算ミスによるものなのか、あるいは美的理由ゆえのことなのか、はっきりと断定することは難しい。
しかし、そのいずれにせよ、ダ・ヴィンチの地図が、”神話と知覚”の地理学から歴とした情報に昇華されたものであることは間違いない。
ダ・ヴィンチの時代から数百年が経った今、彼が望んだような世界へとたどり着いたのかどうかはわからない。
しかし、今彼がここに生きていたとしたら、当時と同じように、数百年後の技術について想像を巡らしていたことだろう。
How Leonardo da Vinci made a "satellite" map in 1502/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2019/4/ 23)本文を一部訂正して再送します。