オスのヤスデの生殖器は光る。紫外線に照らされると蛍光色を放つため種の判別に役立つ(米研究)

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オスのヤスデの生殖器は光る。紫外線に照らされると蛍光色を放つため種の判別に役立つ(米研究)
オスのヤスデの生殖器は光る。紫外線に照らされると蛍光色を放つため種の判別に役立つ(米研究)

(c) Stephanie Ware, Field Museum

 ヤスデの外骨格は紫外線に照らされると緑、黄、青、ピンクの蛍光色を放つ。だがそれは外骨格だけではない。オスの生殖器だって立派に輝くのだ。

 じつはこれ、節足動物において一般的な現象で、サソリでは1950年代から研究が行われてきた。

 進化生物学者のペトラ・シアヴァルト氏(米フィールド博物館)が引き出しからヤスデの標本を引っ張り出してみたのも、こうした研究がきっかけだったそうだ。

 その結果、オスの生殖器も光を放つことが判明。それは研究者にとってとても便利な代物だった。1万2000種以上いるといわれるヤスデの種を判断しやすくなるのだから。・光る生殖器が種の判別を容易に

 「ヤスデっていうのはとても研究しにくいんです。顕微鏡で観察するには大きすぎたり、反対に小さすぎて細かいところまで見えなかったり」とシアヴァルト氏はいう。

 ヤスデの種を特定するさいには、昆虫やクモの場合と同じく、種によって独特の形状をした生殖器と外骨格を手掛かりにする。

 そこで『Zoological Journal of the Linnean Society』に掲載された新しい紫外線による撮像法だ。

 これを使えば、ぼんやり光ってはっきり見えるようになった生殖器と外骨格から、ほとんど同じに見えるヤスデの種をぱっと特定することができるのだ。

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普段は茶色に見えるオビヤスデであるが、紫外線の下ではパステルブルーに光る
(c) Stephanie Ware, Field Museum

・ヤスデの生態の解明の一助に

 ヤスデには1万2000種以上が存在する。

 これらをより正確に定義することは、ヤスデの生態――とりわけ、異なる生態系に侵入種が入り込んだとき、どのような影響を与えるのか理解するうえで大切なことだという。

 ちなみに光るのは、生殖肢(生殖器)に含まれるタンパク質のおかげだ。またクチクラという外骨格の一部が、紫外線を可視光にして反射することも関係している。


・オビヤスデの生殖肢

 新撮像法では、焦点距離を徐々にずらしながら連続した写真を撮り、それをつなぎ合わせて完成させる。

 ここで紹介した写真は、オビヤスデ(Pseudopolydesmus canadensis)の仲間で、小さい部類のヤツだ。

 青みを帯びた足状の構造は、オスの生殖肢で、まさに最初は足である。

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(c) Stephanie Ware, Field Museum

 しかしオスが人間でいう思春期に差し掛かると、足が脱皮し、その中にあった筒状の構造が露わになる。

 そして、さらにもう一皮むけたところで、もともと足だった部分がきちんと機能する生殖器として出来上がるという寸法だ。


・ヤスデのメスはそれを見ることができないが、研究者は大喜び

 ヤスデは目が見えないので、その光り輝く立派な生殖器をメスが目の当たりにすることはない。

 だが、研究者には便利な代物で、それに沿った突起やトゲを紫外線で光らせて観察すれば、どの種なのか区別できるのである。

 ヤスデが光る理由は定かではないが、少なくとも種の特定が楽になったことにシアヴァルト氏はご機嫌になったそうだ。私もなんだかちょっとうれしい。

References:Glowing millipede genitalia help scientists tell species apart/ written by hiroching / edited by parumo
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